長友佑都手記『ありのままの自分』 連載を始める理由と身体の回復具合
長友佑都(右)本人の言葉で、トルコでの情報やその瞬間に感じている思いを届けていただく 【写真提供:長友佑都】
こんな言葉が長友佑都から編集部に届いた。2006−07シーズンに元日本代表の稲本潤一(現北海道コンサドーレ札幌)が在籍していたことでも知られるガラタサライ。長友が移籍するまで、このクラブやトルコリーグの情報を注視していた方がいれば、それはかなりの海外サッカーファンである。
トルコきっての名門クラブであるガラタサライは、最多21回のリーグ優勝、17回の国内カップ優勝、1度のUEFAカップ(現ヨーロッパリーグ)優勝を誇り、今シーズンはチャンピオンズリーグにも出場する欧州でも指折りのビッグクラブだ。
長友はトルコで充実の日々を過ごしているという。だが、その充実ぶりはこれまであまりわれわれの耳には入ってこなかった。日本代表の長友佑都ではなく、“ガラタサライの長友佑都”は、今何を思い、どのような日々を送っているのか。今日からシーズン終了まで、隔週水曜日に本人の言葉で記録してもらうこととなった。
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良いことも悪いことも真実を発信したい
常日頃、思ったこと、感じたことを素直に伝えるということを大事にしたいなと感じていたのですが、縁あってスポーツナビで手記を執筆させていただくことになりました。今の心境を素直に発信できればいいなと思っていますので、よろしくお願いします。
また、この手記を通して真実が伝わればいいなとも思っています。僕は良いことも悪いことも、真実を発信するということが大事だと思っています。自分自身は弱い人間なので、発信することで自分に言い聞かせているという意味もあるし、後から当時の心境を振り返ることもできる。この手記もそんなツールにしていけたらいいなと思っています。
普段自分の意図していない発言が記事になっていたり、誤った情報が出ることもあり、それはやはり嫌なことでした。SNSもそうだけど、この手記に関しても、自分の思い、意見を真っすぐに伝えられる手段があることはありがたいです。そういう部分に対して、他の方々の思いや意見も聞けたらうれしいですし、こうやって発信していくことで自分自身にプラスになることがたくさんあると思っています。
トルコでの日々を振り返って
チームメート、スタッフと家族になった感覚で過ごしています 【写真提供:長友佑都】
そして、自分を必要としてくれる場所で結果を出し続けることが、支えてくれている人たちへの恩返しだと思っています。必ず恩返しをする。そんな気持ちですね。
トルコに来て、約11カ月が経ちました。僕はコミュニケーションを取ること、人の懐に入ることは得意な方なのかなと以前から思っていましたが、トルコに来てみて「大得意」なんだなと確信に変わりました(笑)。合流当初から何年もこのチームにいる感覚でプレーできた。もちろん周りの人たちがよくしてくれる、そして、親日国という部分もあると思います。ただ、半分以上がトルコ人ではなくて外国人のチームの中で、チームメート、スタッフと家族になった感覚を持てたのは、完全に自分のコミュニケーション能力が高いな! と(笑)。
もちろん、それはプレーにも良い影響を与えてくれているし、連係も取りやすい。サポーターも熱すぎるほど熱いので、気持ちが入らないなんてことはないし、常に死に物狂いで戦っています。試合中は耳鳴りがするほどの声援だし、声は聞こえないし、世界一熱狂的なサポーターだと思っています。その中でプレーできていること、経験を積めていることに、本当に感謝しています。