日本シリーズ戦力分析&展望【広島編】 新井さんと一緒に日本一を!

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先発4人までは確定的、不安は左の中継ぎ不在

リーグ3連覇の広島は、今年こそ悲願の日本一を目指す 【写真:BBM】

 セ・リーグ3連覇を果たした広島は、今季こそ悲願の日本一に登りつめたい。

 投手陣を見ていくと、先発は第1戦にエースの大瀬良大地、第2戦にジョンソン、第3戦に九里亜蓮、第4戦に野村祐輔までは、ほぼ間違いないだろう。レギュラーシーズンの形なら続く先発は岡田明丈だが、クライマックスシリーズでは中継ぎに回して成功。それを踏襲するとすれば中村祐太が有力か。第6戦、第7戦は再び大瀬良、ジョンソンとして、九里が中継ぎ待機、がベースの形になる。

 ただ、第3戦までの先発投手は間隔を詰めても投げることができなくはないメンバー。もしもシリーズ前半で追い込まれるようなことがあれば、第5戦に大瀬良を使って、以下、2巡目に入るパターンもないとは言えない。

 リリーフ陣は、シーズン終盤の調子も勘案すると、一岡竜司、フランスア、中崎翔太の3人が軸になるか。ここに、各投手の疲労度を考慮しながら、ジャクソン、永川勝浩らを絡めていく形になるだろう。短期決戦だけに、先発投手の調子がよくない場合は、岡田、アドゥワ誠の早めの投入もあり得る。

 不安点は左のワンポイントがいないところ。前半のピンチで柳田悠岐を迎える場面などをどうしのぐか。

指名打者への対応や守備走塁は不安なし

 打線は、大きな故障者はなくほぼベストメンバー。持ち味の下位まで切れ目のない打線で臨める。まずは、田中広輔、菊池涼介、丸佳浩、鈴木誠也の上位打線が、どれだけ調子を整えてシリーズに入れるかが第一だろう。

 指名打者ありのパターンでも、候補選手は多く、全く不安はない。左なら、いずれもシーズン3割を打った松山竜平と西川龍馬、右なら一発長打のバティスタ(またはメヒア)と、今シリーズはとんでもなく高い集中力で臨むであろう新井貴浩の中から、その日の状態や相手投手に合わせてファーストとDHを選び出すことになる。

 守備も、特にセンターラインと外野は堅く、不安点は少ない。走塁に関してもチーム全体に次の塁を積極的に狙う姿勢が浸透しており、田中、野間峻祥、さらには代走で出てくる上本崇司と、単独スチールを仕掛けられる選手も多い。

 そして何よりの武器は、今季限りでの引退を表明している新井を中心としたチームの団結力だろう。「新井さんと一緒に日本一を」の合言葉の下、このシリーズにかける意気込みは高い。

投打の注目選手

大瀬良(左)と鈴木誠也。日本シリーズでも投打の軸がチームを引っ張りたい 【写真:BBM】

・大瀬良大地
 今季は15勝を挙げ、最多勝利と最高勝率に輝いた大瀬良大地だが、その中でワーストと言える登板が6月15日、交流戦のソフトバンク戦(ヤフオクドーム)だった。デスパイネ、高田知季、上林誠知と3発を浴びて4回KO。好成績を挙げた今季にあっても、被本塁打はリーグワーストの22本。そのこともあり、シーズンでチーム202本塁打を記録した相手の一発攻勢には気を付けたい。慎重な投球で交流戦の借りを返せるか。

・鈴木誠也
 CSファイナルステージでは、第1戦で本塁打を放ったが、ヒットはこの1本のみ。3四球を選んだものの打率は1割2分5厘と、本来の打撃は発揮できなかった。4番として強い責任感を持つ男だけに、この結果には納得はしていないだろう。3番の丸が調子を上げてきただけに、鈴木の調子は勝敗に直結するポイントだ。ソフトバンク・内川聖一とは、昨年まで一緒に自主トレを行った間柄。ここ一番での勝負を決める快打で成長した姿を見せたい。
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