ロッテ鈴木大地、CSを語る 一発勝負の怖さと魅力、勝者の条件

週刊ベースボールONLINE

2度目のCSは力負け

13年は楽天、15年はソフトバンク相手にファイナルステージで完敗。鈴木はどちらも「最後は力負け」と振り返る 【写真:BBM】

 次にCSに出たのは2年後の15年です。このときもレギュラーシーズンでは最後まで西武と競り合って3位になり、勢いに乗ったままCSに突入しました。

 相手は北海道日本ハムで、初戦は絶対に大谷くん(翔平、現エンゼルス)が来るだろうという中で、やっぱり大谷くんが先発。初回に先制されたのですが、チームの勢いは本物で逆転勝ち。2戦目は競り負けましたが、3戦目は先発のワクさん(涌井秀章)がランナーを出しながらも粘って粘っていいピッチングをしてくれました。誰もが「何としても勝ちたいな」と思っていた7回に、デスパ(デスパイネ、現福岡ソフトバンク)がセンターへ打った瞬間に分かるホームランをたたき込んだときのことはよく覚えています。

 マリーンズは05年、10年と日本一になっていたので、「5年周期のゴールデンイヤー」と周囲も盛り上がっていたし、チームも接戦を制して勝ち上がっていたので確かな勢いがありました。僕自身も13年とは違って地に足を着けてプレーできていたのですが、結局、福岡では何もできないまま負けてしまいました。初戦でソフトバンクにサヨナラ負け(延長10回、2対3)すると、そのまま3連敗(アドバンテージ含め4敗)。13年の楽天との戦いでも感じたことですが、最後は力で押されてしまった力負けです。

忘れられないバント失敗

 3度目は翌16年、マリーンズとしては初めてファーストステージで敗れてしまいました。キヨさん(清田育宏)が2試合連続の先頭打者本塁打でどちらも先制したのですが、またもソフトバンクに押し切られて連敗。あっという間に終わってしまった感じでした。

 個人的に今でも忘れられないのが第2戦の第1打席。1対0の2回に無死一塁で送りバントを失敗してしまったんです。追加点が欲しい場面でキャッチャーフライになってしまった。ちゃんと決めていれば追加点が入っていたかもしれないし、追加点が取れていれば試合の流れも変わっていたかもしれない。バントでフライが上がってしまった感触は今でも覚えています。

 CSのような短期決戦、一発勝負の舞台ではミスをした方が負けます。結局、本当に強いチームはどんな試合であってもやるべきことをしっかりやる。そのことを、身を持って痛感したCSでした。

 今年もCSや日本シリーズはテレビで見ることになると思います。すごく複雑な気持ちになりますが、やはり気になってしまいますから。昨年もテレビで見ながら、こういう舞台に一回でも多く出たい、そしていい結果を残したいと強く思いました。レギュラーシーズンだけで終わるのではなく、ポストシーズンの最後まで野球をやりたい。そして優勝したい。それに尽きると思います

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