森保監督「いい守備からいい攻撃を」 国際親善試合 パナマ戦前日会見

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パナマ戦の前日会見に臨んだ森保監督 【スポーツナビ】

 サッカー日本代表は12日、国際親善試合のパナマ戦に臨む。試合を翌日に控えた11日、会場となるデンカビッグスワンスタジアムで森保一監督が会見を行った。

 この試合がA代表の監督として2試合目となる森保一監督は、パナマの印象を「ワールドカップ(W杯)に出場していますし、今回もW杯を経験した選手の多くが招集されていると聞いていますし、非常に力のあるチーム」「力を試すという意味でも、素晴らしい相手と対戦できる」とコメント。チームのコンセプトには「全員攻撃・全員守備」と「バランス」の2つを挙げ、「相手がどういう戦いを仕掛けてきても、われわれがそれに対応していく」と意気込みを語った。また、キャプテンには「代表でもトップクラスの経験の持ち主」という吉田麻也を任命したことを明かした。

コンセプトは全員攻撃・全員守備とバランス

──パナマ代表の印象は? どう戦っていくか、そして警戒する選手がいれば教えてほしい。

 パナマはW杯に出場していますし、今回もW杯を経験した選手の多くが招集されていると聞いていますし、非常に力のあるチームだと思っています。われわれの力を試すという意味でも、素晴らしい相手と対戦できると思っています。パナマの警戒する選手は、個人がというよりもチームとして、相手のことを警戒していきたいと思います。

 われわれは相手のことは情報として持っていなければならないですし、ストロングポイントを消してウイークポイントを突いていくことをやっていかなければならないと思っています。相手のことを踏まえた上で、われわれに何ができるかということを、選手たちには個人のプレー、チームとしてのプレー、また9月のキリンチャレンジカップからこの10月(の2試合)、そして先につながる戦いをしていきたいと思います。

──代表では全員攻撃・全員守備をコンセプトに掲げているが、サンフレッチェ広島時代は「いい守備から攻撃につなげる」ということをよく言っていた。代表ではビルドアップとか縦に付ける位置というものを広島のとき以上に意識しているように感じる。チーム立ち上げの時期で、そこから手を加えた狙いを教えてほしい。

 今おっしゃられたように、コンセプトとしては全員攻撃・全員守備、そしてバランスということを考えています。いい守備からいい攻撃というのは、選手にはピッチ内で伝えています。限られた代表の活動期間の中で、トレーニングでどれだけやれるか分かりませんが、ミーティングではいい守備からいい攻撃につなげるということを映像を交えて選手たちに伝えています。私が監督をやっていたこれまでと、コンセプトを変えることはないと思います。

 攻撃の部分の練習が多いのは、攻撃の連係・連動の部分で意思統一するのは難しいことだと思っているからです。そういう部分で、攻撃の練習は限られた(期間の)中で多く割いていると思います。

──昨日、背番号を発表したが、前回に続いて10番に中島翔哉を選んだ意図は?

 背番号に関しては、背番号で選手のやることが決まるわけではないですし、チームの存在が決まるわけではないので、私は選手とチームに任せて背番号を決めています。ただしサッカーにおいて10番という背番号は、世界的に見ても誰もが付けられるものではない。それを背負ってプレーするということは、本人が考えて責任をもってやってくれると思います。

相手以上に柔軟性をもって戦う

──合宿が始まって3日目で難しいかもしれないが、監督がメンバー発表の時に言っていた化学反応、W杯組との融合という点での手応え、そして試合で期待する点があれば教えてほしい。

 間違いなく選手が練習の中でのオン・ザ・ピッチで、そしてホテルでのオフ・ザ・ピッチで、いろいろなコミュニケーションをとってくれて、経験を伝え合うという部分(を行っている)。チームとしては、日本代表をこれまで戦ってきた経験を共有し合っている、共通理解を持っていけると感じています。練習の回数は限られていますが、選手たちはトレーニングメニューの意図をくみ取ってくれて、その中でベストを尽くしてくれているので成果は上がってきていると思います。先ほど言いましたコミュニケーションの部分で、ピッチ内でのひとつの現象に対して、選手たちがお互いの意見を出し合って、すり合わせてくれる場面も多く見られますので、チームとしての融合は確実にできていると思います。

──9月の試合は青山敏弘がキャプテンが務めたが、今回は誰が務めるのか? また、選んだ理由も教えてほしい。

 キャプテンは今回、吉田麻也にやってもらおうと思っています。彼はご存じの通り、日本代表でもトップクラスの経験の持ち主ですし、所属チームでも世界のトップと戦っています。そして自分自身が向上心をもって、日々の準備からピッチで全力を尽くすこと。チームを機能させるために、周りとのコミュニケーションを取りながらやってきていることを見て決めました。

──パナマはW杯ではかなり引いて、ブロックを作る戦い方を見せていた。1月のアジアカップを見据えた時に、日本を相手にそのような戦い方をするチームが増えてくる中、選手にはプレー面でどういう指示を出してピッチで表現することを望んでいるか?

 W杯でのパナマの戦い、そしてW杯が終わってからの親善試合を見ていると、ブロックを作って守備をする戦いをしていることは見受けられました。ただし今回のわれわれとの戦いで、同じ戦いをしてくるかは分からないですし、相手が引いてブロックを作ってきても、前からプレッシャーをかける戦いを挑んできても、どちらも柔軟に対応できるように準備していこうということは選手たちに言っています。

 パナマもW杯後に監督が代わっているので、いろいろ試してくると思います。今回の戦いも、相手がどういうチャレンジをしてくるのか分からないので、われわれは相手以上に柔軟性をもって、臨機応変に対応していけるように準備できればいいなと思っています。

──全員攻撃・全員守備、そしてバランスということを言っていたが、監督がこれからの代表に求めるバランスとは、どういうものをイメージしているのか?

 ここにいらっしゃるメディアの皆さんと話をする中で、対応力や臨機応変に戦うというところはよくお話ししますが、相手がどういう戦いを仕掛けてきても、われわれがそれに対応していくということ。(相手の)変化に柔軟に対応していく、臨機応変に対応していくということをやれれば、というバランスもあります。

 試合の流れの中で、われわれが優勢に試合を進めるときもあれば、劣勢なときに受け身に戦わなければならないときもあります。自分たちが思い描いたことができれば、それがベストですけれど、そうでないときにもいろいろなバランス感覚をもって対応していければと思うところも、バランスという言葉の中には含まれているということで理解していただければ。ただ基本的には、攻守のバランスということを考えています。
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