「最も速いペースでゲームを展開する」 HCに聞く、○○はうちがNo.1 滋賀編

カワサキマサシ

昨季の反省はシュートとインサイド

デニスHCは、昨季の反省点を「シュートとインサイド」と振り返る 【(C)B.LEAGUE】

 滋賀レイクスターズは昨季新たに、ショーン・デニスヘッドコーチ(HC)が就任。シーズン序盤は黒星が先行する展開だったが、やがてチームは波に乗って勝率5割を超え、一時は西地区の台風の目ともいえる躍進を果たした。そんな昨季を、デニスHCが振り返る。

「昨季はチャンピオンシップ出場の可能性が見えてきたところで、いくつかの接戦を落としてしまい自信を失ってしまった。シーズン全体を振り返ってチームとして良かったのは、改善し続けるために一生懸命に取り組めたこと。そしてシーズンを力強く終えることができ、とてもよい兆しが見られたことだ。昨季はチームが正しい方向に進んでいることが確認できたこと、全体的に成長が見られたことをうれしく思っているよ」

 昨季は最終的に、24勝36敗で西地区3位に終わった。ステップアップを目指して今季を戦うにあたっては、昨季の反省を踏まえてこう話す。

「われわれは昨季、シュートの成績が最も悪いチームだった(編注:フリースローは成功率はB1で16番目)。そこはチーム編成や、オフシーズンの個々のワークアウトプログラムにおいて重要視した点。また、われわれのウイングはサイズで相手に劣ることが多く、より大きく、より身体能力に優れた選手が必要だった。

 それとフィッシュ(ディオール・フィッシャー)とともにインサイドで存在感のある選手も必要だと感じていたので、いいコンビになりそうな外国籍選手を求めていた。そこに当てはまる選手としてガニ・ラワルを獲得でき、今季はリバウンドやディフェンスを多彩に変化させることができると思うよ」

ストロングは「リバウンドを取って走ること」

 滋賀がNo.1だと誇れるものについては、開幕前ということで明言を避けつつ、やや角度を変えて「No.1になることを目指す」ポイントをあげた。

「ストロングポイントは、リバウンドを取って走ること。昨年はプレーのペースとテンポを早くすることができるようになってきたが、まだまだ改善が必要だ。われわれはこのリーグで最も速いペースでゲームを展開するチームとなり、ディフェンスから速攻の機会を多く生み出していきたい。ディフェンスからオフェンスへの速い切り替えは、リーグでNo.1を目指したい。この分野で他のどこよりもNo.1チームになるため、対戦相手を執拗(しつよう)にアタックし続けていきたい」

 今季の滋賀が目指すスタイルは、昨季と同様に展開の速いバスケ。デニスHCがこれを標榜するのには、プロスポーツとして『見せる要素』が必要であること。そして、日本代表の未来への提言も含まれている。

「リーグで最も速いペースのチームになりたいので、ハイスコアな試合をしていきたい。スコアが60点台、70点台の試合よりも、勝っても負けても90点台のほうがいい。そのほうがプレーしていても楽しく、見ていてもエキサイティングなバスケになる。これが日本人に一番合ったスタイルだと私は思うし、リーグはファンが楽しめるスタイルとして推奨するべきだ。そのことを踏まえて、リーグは五輪に向けて、日本代表チームのために選手を育成すべきだと私は思う」

 最後にBリーグの3年目のシーズンが開幕するにあたり、自チームのファンだけでなく、バスケットボールを愛するファンに広くメッセージをくれた。

「すべてのバスケファンに、滋賀のエキサイティングなプレーを見るのが大好きだと思ってもらいたい。中でも特にホームのファンのみなさんには、われわれのアップテンポなスタイル、チームへの飽くなき情熱を誇りに思ってもらいたい。私はバスケを愛するみなさんに、今季の滋賀のプレースタイルを楽しんでほしいと思っているよ」

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著者プロフィール

大阪府大阪市出身。1990年代から関西で出版社の編集部員と並行してフリーライターとして活動し、現在に至る。現在は関西のスポーツを中心に、取材・執筆活動を行う。

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