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柴崎岳、ボランチとしての序列は4番手
ヘタフェ監督の言葉から見る厳しい現状

移籍の可能性が高いと見られていた柴崎だが……

ワールドカップで存在感を示した柴崎だったが、他クラブへの移籍には至らず
ワールドカップで存在感を示した柴崎だったが、他クラブへの移籍には至らず【写真:ロイター/アフロ】

 スペインの移籍市場は今夏もさまざまな話題を提供してきたものの、大きな動きがないまま終了を迎えた。


 今夏最大のニュースと言えば、長年リーガの顔を務めてきたクリスティアーノ・ロナウドやアンドレス・イニエスタ、フェルナンド・トーレスらが去ったことだろう。期待されていたネイマールやキリアン・エムバペ、エデン・アザール、ポール・ポグバといったビッグネームは来なかったし、連日紙面を賑わせたアントワーヌ・グリーズマン、ルカ・モドリッチらも最終的にはチームに残っている。


 移籍の可能性がたびたび報じられていた柴崎岳も、結局ヘタフェに残留した。


 昨季は開幕当初こそ4−2−3−1のトップ下やサイドMFで先発していたが、第4節バルセロナ戦の負傷で約3カ月の離脱を強いられた後は出番が激減。結局、バルセロナ戦で決めた初ゴールを最後に目立った活躍ができぬまま、1部初挑戦のシーズンはリーグ戦22試合(うち先発は12試合)、1003分間の出場にとどまった。


 ファウル数はリーグ最多と、ヘタフェはアグレッシブな守備を持ち味にしている。2トップへのロングボールを多用した直線的な攻撃や、攻守にタフなハードワークを要するプレースタイルとの不一致もあり、ホセ・ボルダラス監督の続投が決まった時点で、柴崎が今夏に移籍する可能性は高いと見られてきた。


 全4試合に先発出場したワールドカップ・ロシア大会での活躍により、市場価値が高まったことも移籍の後押しになると思われた。実際、ヘタフェのスポーツディレクターを務めるニコラス・ロドリゲスは、7月23日の時点で複数のクラブから問い合わせを受けたことを認めている。


「ガクに興味を持つクラブからいくつか問い合わせがあった。まだ彼はバケーション中なので、戻ってきた際に代理人を含めて話し合いたい」

レアル・マドリーとの開幕戦での布陣は機能せず

レアル・マドリーとの開幕戦では先発出場を果たすも、目立った活躍はできなかった
レアル・マドリーとの開幕戦では先発出場を果たすも、目立った活躍はできなかった【写真:なかしまだいすけ/アフロ】

 この時期には柴崎自身もチャンピオンズリーグ出場クラブでのプレーを望んでいると一部メディアが報じていたが、実際に本人とクラブの間でどのような話し合いが行われたかは分からない。いずれにせよ、柴崎がチームに合流した後も、移籍に向けた具体的な動きは表に出ぬまま、現地時間8月19日の開幕戦を迎えることになった。


 レアル・マドリーとの開幕戦を前に、現地メディアが予想したヘタフェの先発メンバーに柴崎の名はなかった。


 今夏のプレシーズンマッチではボランチで起用されることが多かったが、どの予想布陣を見ても中盤の中央に並ぶのはバレンシアから加入したセルビア人MFネマニャ・マクシモビッチ、昨季から所属するウルグアイ人MFマウロ・アランバリの2人だった。このポジションには開幕直前に負傷離脱したマルケル・ベルガラもいるため、「ボランチ柴崎」の序列は4番手と認識されていたことになる。


 しかし、レアル・マドリー戦のヘタフェは基本布陣の4−4−2ではなく、プレシーズン中に何度か試していた4−1−4−1でスタート。柴崎はアランバリとともにインサイドMFで先発し、マクシモビッチはアンカーを務めた。


 ところが、この日のヘタフェは試合後にボルダラス監督が「何一つうまくいかなかった」と嘆くほど良いところがなく、0−2というスコア以上の惨敗に終わっている。その中で柴崎はフル出場し、3つのポジションでプレー。前半20分に先制された後は4−4−2のセカンドトップ、FWのハイメ・マタを投入した後半13分以降は4−4−2の左MFに移されたが、22%のボールポゼッションしか保てないチームの中で、柴崎ができることはわずかだった。

工藤拓
工藤拓

東京生まれの神奈川育ち。桐光学園高‐早稲田大学文学部卒。幼稚園のクラブでボールを蹴りはじめ、大学時代よりフットボールライターを志す。2006年よりバルセロナ在住。現在はサッカーを中心に欧州のスポーツ取材に奔走しつつ、執筆、翻訳活動を続けている。生涯現役を目標にプレーも継続。自身が立ち上げたバルセロナのフットサルチームは活動10周年を迎えた。

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