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アジア大会「金メダルは絶対」と韓国
兵役免除にマジな精鋭たち&宣銅烈監督

韓国プロ野球は中断中

 アジア大会の野球競技で金メダルを目指す日本。その前にはプロ選手で構成された韓国という高い壁が立ちはだかる。(大会概要については下記コラムを参照)

 その韓国とアジア大会を語る上で欠かせない2文字がある。それは「兵役」だ。韓国の成人男性に課された約2年間の義務、兵役。それをスポーツ選手がケガや家庭事情などを除き、合法的に免除されるには五輪でのメダル獲得か、アジア大会の金メダルしかない。野球では2006年の第1回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)ベスト4進出時に兵役が免除されたがそれは特例措置によるものだった。


 2年間を軍での服務に費やすか、免除され数週間の基礎軍事訓練で終えるか。20代の野球人生を左右するこの問題の解決のため、韓国はアジア大会にトッププロを揃え、約2週間、プロ野球公式戦を中断して挑んでくる。

エース梁の師匠は日本人コーチ

ゴーグルがトレードマークの梁ヒョン種(ヤン・ヒョンジョン)が韓国のエース
ゴーグルがトレードマークの梁ヒョン種(ヤン・ヒョンジョン)が韓国のエース【Getty Images】

 今回の韓国投手陣で一枚看板とも言えるのが左腕の梁ヒョン種(ヤン・ヒョンジョン=KIA)だ。日本ではあまりなじみがないが、昨季は20勝を挙げ優勝に貢献。史上初のシーズンと韓国シリーズでのMVPダブル受賞を果たしている。高いリリースポイントから140キロ台後半の速球とチェンジアップを組み合わせるのが特徴で、これまでに大舞台でも実力を発揮してきた。


 その梁ヒョン種には師と仰ぐ日本人がいる。高卒2年目だった08年から2年間、KIAで投手コーチを務めた神部年男氏(元近鉄など、75歳)だ。梁ヒョン種は神部氏を「平凡な投手だった僕をエースにしてくれた人」と言い、今でも連絡を取り合っている。神部氏は昨秋、梁ヒョン種の誘いで韓国シリーズを観戦。愛弟子の成長に「エースの風格があった」と嬉しそうに話した。


 神部氏との出会いから10年。今や韓国のエースとなった梁ヒョン種は今大会で最も重要な戦いである予選のチャイニーズタイペイ戦、そして決勝戦での先発が有力視される。


 その他の先発陣は李庸燦(イ・ヨンチャン=斗山)をはじめとした右腕が5人。うち2人が横手と下手投げだ。また抑えにはチーム最年長33歳の左腕、鄭ウラム(チョン・ウラム=ハンファ)、その前を速球派の張必峻(チャン・ピルチュン=サムスン)らが担う。このメンバーをどうやりくりするかが、代表を率いる宣銅烈(ソン・ドンヨル=元中日)監督の腕の見せどころだ。

室井昌也
室井昌也
1972年、東京生まれ。韓国プロ野球の伝え手として、2004年から著書『韓国プロ野球観戦ガイド&選手名鑑』を毎年発行。韓国では2006年からスポーツ朝鮮のコラムニストとして韓国語でコラムを担当し、その他、取材成果や韓国球界とのつながりはメディアや日本の球団などでも反映されている。現在「室井昌也の韓国野球を観に行こう!」(ラジオ日本)に出演中。12月22日には斗山・後藤孝志コーチ(来季より巨人コーチ)をゲストに招くトークイベントを予定している。ストライク・ゾーン取締役社長。

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