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松山英樹、光明見えた最終18番での巧打
全米プロを終え、不調からの脱出を期す

「何もうまくいかなかった」大会3日目

今季のメジャー4戦を終えた松山。目立った成績を残すことはできなかった
今季のメジャー4戦を終えた松山。目立った成績を残すことはできなかった【Getty Images】

 日本のエースが今季のメジャー4戦の戦いを終えた。海外メジャー最終戦の「全米プロゴルフ選手権」最終日。松山英樹がダブルボギー先行のなか意地を見せて「66」をマーク。それでも優勝の16アンダーにはほど遠いトータル4アンダーの35位タイに終わった。7月に行われた「全英オープン」では予選落ち。今大会でも最後まで、波に乗れずに苦戦した。松山らしからぬプレーはなぜ生まれてしまったのか。


「自分に期待をしない。予選落ちすると思う」。不調を嘆き、自虐コメントに終始していた大会前の松山。いざ大会が始まってみれば、初日は2アンダーの16位タイと上々のスタートを切った。それでも表情は晴れない。「いいと思っても何かのきっかけですぐに悪くなる」と自信を持てない姿がまだそこにあった。そんな不安をよそに、2日目も前半を終えてスコアを1つ伸ばしたが、潮目が変わってしまったのが雷雨中断だった。


 残り8ホールが土曜日に順延となってしまったが、この8ホールの締めくくりの18番がキモとなった。再開直後の11番でバーディ。スコアを5アンダーまで伸ばして迎えた18番もティショットはフェアウェイを捉えた。ピンまで168ヤード。今までの松山なら確実にピンそばにつけていた距離だが、これをバンカーに落とすと、バンカーショットもオーバー。寄らず入らずのダブルボギー。上位進出への期待が一気に薄れた。


 不吉なダボの直後に開始した第3ラウンド。1番ホールでいきなりのトラブルに見舞われた。浅いラフからのセカンドショットがフライヤーとなり、グリーンをはるかにオーバー。かろうじてボギーでとどめたが、第2ラウンドの最終ホールとこの2ホールで、松山らしさを失った。「何もうまくいかなかった」と振り返ったラウンドは、フェアウェイキープ率35.7パーセント。パーオン率50パーセント。ショットの精度で勝負する、松山本来の上昇パターンが消えてしまった。

リベンジを果たした最終日の最終18番

3日目の18番、バンカーショットはオーバーするが、翌日同ホールでバーディを奪取しリベンジを果たした
3日目の18番、バンカーショットはオーバーするが、翌日同ホールでバーディを奪取しリベンジを果たした【Getty Images】

 沈んだ表情のラウンドが続いた3日目を終えて首位と12打差。せっかくためた5打の貯金も吐き出してしまい、メジャー制覇の夢はついえた。並の選手ならここでキレてしまうもの。ところが、松山は再び立ち上がった。優勝争いとは無縁の位置から好スコアを出すのは「ノープレッシャーだから可能」という声もある。でも果たしてそうなのか。むしろ今年最後のメジャーのラウンドで、ましてや先にダブルボギーが来る展開となれば、落ち込みも激しいはず。それでも必死にカムバックする松山の背中には強さを見た。


 ダブルボギーの直後に連続バーディ。その直後には再びピンチを迎えるが、8番で再びバーディ。ところが9番ではイージーボギー。それでも耐える表情は変わらない。この我慢がようやく実ったのが折り返した11番の短いパー4。ドライバーでワンオンに成功しイーグルを奪うと、そこからは必死にスコアを伸ばし続けた。


 後半だけで4アンダー。ハーフ「31」には松山の強さが詰まっていた。そして、最も松山の強さを象徴していたのが、1.2メートルに寄せてバーディとした18番。第2ラウンドの最後にダボとし、流れを切ってしまったホールだ。「久々にいいアイアンショットが打てました」。淡々と振り返ったが、松山らしくショットの精度で奪ったバーディに手応えを感じると同時に、リベンジを果たすことができた。


「やっぱりこんなところで回っていたくないですし、今ぐらいの時間にスタートしたいです」。早々にラウンドを終了した時点で、上位陣はスタートを迎えようとしていた。悔しさは当然あるだろう。それでも、この悔しい思いを持ち続け、我慢を重ねた上での最終ホールでのバーディは、少しばかり松山に自信を取り戻すことになったのではないだろうか。

納得のショットが快進撃につながるか

松山は今季の残り試合で活躍し、「ツアー選手権」出場を目指す
松山は今季の残り試合で活躍し、「ツアー選手権」出場を目指す【Getty Images】

 メジャー初戦の「マスターズ」は左手親指付け根のケガ明けで期待も何もない状態から19位。全米オープンでも調子を上げられず、3日目に「79」をたたき16位タイ。「全英オープン」では予選通過が見えた最終ホールでまさかのOBを放ち2日でコースを去った。今回は予選通過からの屈辱の1日を経て、最終日にカムバック。メジャー優勝は持ち越しとなったが、来年に向けて流れを切らさなかった。


 松山が参戦する米ツアーは残り5試合。今週開催の「ウィンダム選手権」がレギュラーツアー最終戦で、次週からは4試合のプレーオフに突入。毎試合、ふるいにかけられ最終戦の「ツアー選手権」にはポイントランキング上位30人しか残れないが、これを果たせば来年の一部メジャー出場が早々に決まる。現在同ランキング88位。「まだ来年のメジャー出場資格がないので」と、今まで迎えたことのない境遇となっている松山。最終ホールで見せた納得のショットが今後の快進撃、来年のメジャー獲りにつながっていくことを、多くのファン、そして松山自身も期待しているはずだ。

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