松山英樹は弱気なくらいがちょうどいい!? “何か”が起きる全米プロで浮上なるか
“存在感が薄い”が劇的な展開を生む全米プロ
今季のメジャー最終戦、全米プロが開幕する。松山は昨年5位タイに入った大会で復調なるか 【Getty Images】
こういっては失礼だが、メジャー大会の中では存在感が薄い。オーガスタナショナルゴルフクラブを舞台に行われるゴルフの祭典「マスターズ」、世界一過酷な戦いといわれる「全米オープン」、リンクスコースの悪天候が特徴で世界最古のオープン大会「全英オープン」と、特徴が色濃いメジャー3戦に比べ、キャッチフレーズも浮かばない。
そんな全米プロだが、だからこそ意外な選手がいきなり優勝を遂げるなど、思いもしないドラマが数多く生まれてきた。1991年にはジョン・デイリー(米国)が、9番目のウェイティングから奇跡的に出場。練習ラウンドなしでメジャー初優勝を遂げる奇跡を起こした。出場資格についても他のメジャーと比べて幅が広い。主催が全米プロゴルフ協会だけあって、全米のコース所属クラブプロも出場できる開かれた大会。通常は世界ランキングで100位前後の選手までが特別招待を受けることからも、門戸が広いといえる。
弱気な松山「期待しないで」
直前の大会「ブリヂストン招待」では、かみ合わないゴルフが続き、39位タイに終わった 【写真は共同】
今季は2月に左手親指付け根のケガで出遅れた。1カ月半のツアー離脱から、復帰後も本調子からはほど遠い内容で、1月にトップテンに入って以来、一度も上位争いに絡んでいない。マスターズ(19位)、全米オープン(16位タイ)では予選通過を果たしたが、先月の全英オープンでは2日目の最終ホールにトリプルボギーをたたき8試合ぶりのメジャー大会予選落ちを喫した。
松山に何が起こっているのだろうか。昨年大会で圧勝し、先週開催された「WGC−ブリヂストン招待」では、初日を3アンダーでスタートしたが、かみ合わないゴルフが残り3日間続き、39位タイに終わった。優勝したジャスティン・トーマス(米国)とは16打差がついてしまった。「救いようがない。何をしていいかわからない」と試合後は弱気な発言に終始。「来週(全米プロ)も期待しないでください」と自虐フレーズで会場を後にした。