「負けん気の強さ」こそ生き抜く源泉。「土壇場」巨人の秋広選手が途中出場から2安打の猛アピール。打撃低調…。阿部監督の「もう潮時かな」に発奮

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【これはnoteに投稿されたセイノさんによる記事です。】
プロ選手に必須のものとは。才能、努力、いろいろ考えられるけれど、一番重要なのは「負けん気の強さ」ではないだろうか。成績が落ち込んだ時に、心が弱いと一気に崩壊する恐れがある。「なにくそ」の思いで食らいつくことで活路が開けるような気がする。プロ5年目、巨人の秋広優人選手は土壇場で2安打の猛アピール。彼の負けん気の強さを買いたい。

秋広選手は東京の二松学舎高出身。今年の選抜高校野球に出場する強豪だが、秋広選手には甲子園の経験はない。それでも200センチの高身長に高校通算23本塁打の強打が魅力。2020年のドラフト会議で巨人から5位指名を受けて入団した。

ルーキーイヤーは1試合に出場したがノーヒット。2年目は出場ゼロだった。しかし3年目の2023年に突如ブレイク。121試合に出場し、10本塁打、打率2割7分3厘の成績を残した。

ただ昨季は出場機会が激減。わずか26試合。48打席に立ったが、ホームランはゼロに終わった。打率も2割6分1厘と落ちた。

勝負の5年目。それでもオープン戦の調子が上がらない。3月9日時点でオープン戦7試合に出場したが、打率は2割1分1厘。本塁打はゼロ。

9日の試合では2打数無安打1三振。この結果に、阿部慎之助監督は「秋広がもう、(バットの)芯に当たらなくなってきたから、そろそろ潮時かなと思います」と厳しい評価を下した。

阿部監督は元々、秋広選手への風当たりは強いと言われている。これは、選手への期待の表れとも考えられる。それにしても「潮時」発言は最後通牒のようにも受け取れた。

真価が問われる。心が弱ければ、指揮官にこんなことを言われて落ち込む人もいるだろう。むしろ多いかもしれない。

しかし、秋広選手は違った。11日に長崎で行われたソフトバンクとのオープン戦。七回裏の守備から途中出場。八回表の第1打席に立つと、140キロの直球をライト前へ弾き返すヒットを放った。

九回の第2打席では、外角低めのチェンジアップをさばいて、レフト前ヒット。2打数2安打と発奮した。

秋広選手は「最近結果を出せていなかったので、何とか結果を出せて良かった」とひと安心。さらに阿部監督の「潮時」発言を念頭に置いたのか、「そうはさせないぞという気持ちで今日は行きました」と力を込めた。

この負けん気の強さこそプロ選手が生き抜く源泉だろう。土壇場に追い込まれれば、それをパワーに変える強さ。秋広選手の土壇場での2安打と「そうはさせない」発言に、たくましさを感じた。「なにくそ」の力強さだ。

外野手の秋広選手。外野の定位置3枠のうち2つは埋まっている。残り1をめぐる激しい戦いだ。しかし土壇場に追い込まれての「負けん気の強さ」があれば、秋広選手がレギュラーをつかみそうな気もする。「なにくそ」の気持ちでアピールを続けてほしい。
見出し画像:富澤友則
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