西野監督「深夜に長谷部と2人で話をした」 W杯ベルギー戦 一夜明けコメント
ベルギー戦から一夜明け、西野監督が取材に応じた 【写真は共同】
西野朗監督は昨夜、選手たちとワインを飲みながらベルギー戦を振り返ったことや、その後は長谷部誠と2人で話をし、代表引退を告げられたことなどを明かした。
また、代表監督に就任してからの期間を振り返ると、喜びを感じたことは「ない」と即答し、後悔していることとして0−1で負けていながら試合終盤にボールキープを選択したポーランド戦と、2−0の状況から逆転されたベルギー戦の戦い方を挙げた。特にベルギー戦については、ベンチワークについて「足りない部分の大きな1つ」と語るなど、悔しさをにじませた。
16強に進出する8年周期が変わるのではないか
目標にしていたところではあります。最低限の目標には挙げていました。ただ、やはり昨日のゲームを勝ち上がりたかった。そのためにグループステージを戦ってきましたし、チームとすれば、いいコンディションで臨めていました。実際にパフォーマンス的にもかなり戦えるゲームができたと思います。さらにゲームの中でいい状況、勝てる状況があったわけなので。最終的に勝ち上がれなかったことが残念ではあります。
――昨日の会見では「まだ足りないものがある」と話していた。1つ足りなかったとすれば何だと思うか?
2−0(とリードして)から後半のああいう時間になって返される(24分、29分、49分に失点)ということは、ベンチワーク。私の動きも影響すると思います。そういう意味で(ベンチワークは)足りない部分の大きな1つではないかと思います。
――あそこで引いて守る選択肢もあったと思う。あえてそれを採らなかったのは西野監督らしかったと思う。
やはりグループステージ3つ目の試合(ポーランド戦)の取り返しというか。そういう気持ちも胸にあったので3点目を取りにいく。そういう姿勢の中で入らせましたし、メンバーも代えなかったのは非常にいいリズムで、守るシフトにする必要もない状態でしたから。実際に3点目を取るチャンスもあった。
果敢に3点目を、という積極性を持って戦わせましたが、ベルギーが2失点したということで「本気モード」になりました。戦前、ミーティングの中で「本気のベルギーがそこにないと面白くないよ」と。そのためには自分たちが100%以上の力を相手にぶつければ、本気のベルギーが表れてくると。乾(貴士)の2点目で「超」が付くぐらいの本気モードになったと思います。あそこは果敢にいった時間帯でした。
本当のW杯というのはトップ・トップの世界なので、スタンダードが(ベルギーが本気モードになった)あの30分だと思うし、あの30分で日本チームがこれからどう戦っていけるかということ。ベルギーは最後、われわれに対してむき出しになってかかってきた。ああいう中でどう対等に戦えるかが必要なこと。その中でやはり戦い切れなかった。それを体感したことが財産というか、それがW杯だと思います。
(02年、10年に続き)8年周期でベスト16を戦って、8年後は待たなくていい状態の中でベスト8にいけるのではないかと。カタールで勝てる、そういう3度目のチャレンジができたと思っています。これまでの2回の経験プラス、今回で8年周期が変わるのではないか。そう思うゲームができたと思いたいです。
深夜に長谷部と2人で話したこと
長谷部から代表引退の話を聞き、西野監督はねぎらいの言葉をかけた 【写真:ムツ・カワモリ/アフロ】
そのときも「早くエネルギーを補給しろ。早く飯を食え」と。それだけでしたね(笑)。そういうのをひしひしと感じるので、シャワーと食事をとりたい雰囲気が(笑)。今日しっかりと話をさせてもらいました。
――長谷部が代表引退を発表した。彼についてどう思うか?
昨日はお互い、少しワインが入った中で別れて、その後電話がかかってきて「行っていいですか?」と。何事かと思ったんですけれど、彼が「スパイクを置きたい」ということだったので、深夜に自分の部屋で(話をした)。
やつが決断したことなので尊重するべきことですし、長い間日本サッカー界、チームをリーダーとしてけん引してきた彼の決断ですから、「そうか」という感じでしたけれど。会うまでまったくそういう話をしていなかったので、「そうか、本当にご苦労さん。ありがとう」と。
――要請があった場合、今後も代表監督を続ける意志はあるのか?
その話は……ノーコメントで。
――ワインを飲んだときは、みんな盛り上がっていた?
そうですね。お酒ですから、盛り上がらないわけがない(笑)。でもみんな、ゲームの話を振り返ったりしていましたね。
――昨晩は眠れましたか?
ハセ(長谷部)と話してからは、わずかですけれど寝ましたね。