春夏連覇目指す大阪桐蔭の強さの秘密 育てながら勝てるのはなぜか!?
今年のセンバツで史上3校目の連覇を達成し、この夏には春夏連覇の期待がかかる大阪桐蔭。高校球界を代表する常勝軍団の強さの秘密はどこにあるのか 【写真は共同】
その強さを支えているのは西谷監督の徹底したスカウティングだ。いい選手がいると聞けば足繁く通い、必ず自分の目で確かめた選手しか入部させないと言われている。しかし強豪校と言われるチームであればそのような活動は当たり前のように行っており、中学時代に優れた能力を持った選手を集めるだけで勝てるほど高校野球は甘いものではない。入学してからの適切な指導があるからこそ、これだけの常勝チームを作ることができるのだ。
投打ともに型にはめすぎない指導
それは投手についても同様のことが言える。藤浪は高校時代は左足を三塁側に大きく踏み出すインステップに特徴があった。あまり極端になり過ぎるとボールが抜ける危険性のある投げ方だが、腕をしっかり振れることを重視してこの癖も矯正しなかった。高山優希(日本ハム)と現在立教大のエースとして活躍している田中誠也もテイクバックで左手が下がるフォームでロスは大きいが、その動きがボールの角度という特長につながっているように見える。選手は変わっても同じフォームで投げたり打ったりするチームが比較的多いのが高校野球だが、大阪桐蔭はそうではない。多少の欠点には目をつぶり、選手の良さを引き出すことに長けており、また選手自身もそれをしっかり理解しているからこそ卒業後も成長が続いていくのだろう。
接戦に勝てる守備の堅実さ
そしてそれはレギュラーのメンバーだけでなく背番号が2ケタの控え部員も同様である。もし試合前のシートノックを背番号なしで行ったら、どの選手がレギュラーかを判別することはきっと難しいだろう。守備のエラーの7割以上は悪送球によるものと言われており、正確に投げるということは野球の基本である。その基本の部分が控え部員にまで徹底されていることが大阪桐蔭を常勝軍団たらしめている要因ではないだろうか。
素質の豊かな選手を揃えるだけでなく、その能力を最大限まで伸ばし、チーム全体で基本を徹底する。言葉にすると簡単ではあるが、それを継続させることは並大抵のことではない。そんなチームの隙を突いて番狂わせを演じるチームが果たして現れるのか。100回記念大会の最大の注目点はそこに尽きると言えるだろう。
【連載】「常勝軍団・大阪桐蔭の挑戦2018」
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