まさかの愚行も…全米OPで何が起きたのか 松山英樹も苦戦、問われる主催者の責任

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タフなコースコンディションに苦言相次ぐ

ラインを読むケプカ。多くの選手がタフなグリーンに苦しめられた 【Getty Images】

 17日に閉幕した第118回全米オープン(米国ニューヨーク州シネコックヒルズGC)は、予想をはるかに超えた結末を迎えた。大会前は優勝スコアが2桁アンダーに到達すると予想されたが、ふたを開けてみれば近年で最もタフな展開になってしまった。優勝スコアはトータル1オーバー。オーバーパーでの優勝は2013年以来、この40年では5度目と、いかにサディスティックな戦いとなったか想像に難くない。

「USGAはコースのコントロールを失った」

 3日目終了時点で、海外メジャー2勝のザック・ジョンソン(米国)が主催の全米ゴルフ協会(USGA)を非難。ジョンソンだけではない。多くの選手がコースコンディションに苦言を呈した。世界を代表するトップ選手が集い、最高峰の戦いを見せるのがメジャー大会。米国のナショナルオープンを汚す戦いとまで言われた今大会。一体何があったのか。

 練習ラウンドの段階では、コースは青々としていた。グリーンも速さこそあるものの、良いショットは問題なくグリーンに止まった。様子が一変したのは大会初日。強風が吹き荒れコースは乾き切り、特にグリーンへのダメージが深刻化した。タフさに拍車をかけたのが、難解なピン位置。ボールを止める、パットを沈めるという、ゴルフの基本戦略が通用しない。その後も連日変わるコースコンディションへの対応に苦慮したUSGAは、さらに状況が悪化した3日目に弁明会見。「特に風を読み間違えた」と苦しげに明かした。

松山が4パット……大苦戦のラウンド

トータル10オーバーの16位タイで大会を終えた松山。3日目には「79」をたたくなど、コースに苦しめられた 【写真は共同】

 そんなコースに翻弄(ほんろう)された1人が松山英樹だ。初日は5オーバーと出遅れた。「何かが悪いから入らない」と、グリーン上での苦戦に明確な答えを見いだせない。「風の影響もあるでしょうし、あしたピン位置がもう少しやさしくなったりするかもしれない」。松山が話したとおり、2日目はチャンスにつきやすいピン位置に変わった。風も穏やかになり、アンダーパーは増えた。かみ合わないゴルフが続いてしまった松山はスコアをキープするにとどまったが、決勝ラウンドには無事進んだ。

 コースとUSGAの戦いが1度は軌道に戻りかけた。それを台無しにしてしまったのが3日目の対応だった。午前にスタートしていった選手からはアンダーパーも出たが、午後スタート組は、まるで出口のないトンネルを進むかのごとく、コースに打ちのめされた。理由はまたしても風。「カップ回りに芝がなかった」と多くの午後組の選手がぶちまけた。芝は乾き切り、おまけに選手が踏みつけるため、最終組が夕方にスタートするころには、グリーンは緑ではなく凹凸満載の迷彩色に変わった。

 3日目は松山も大苦戦を強いられた。8番で4パット。「1回も悪いパットをしていないのに4パットしたのは初めてです」。イメージどおりに打っても球が逆に外れる。芝の伸びが不安定なため、跳ねては曲がり、カップに沈まない。松山に限らず、パットの名手たちも頭を抱えた。選手の中にフラストレーションがたまる一方の、我慢比べを通り越した、まるで苦行のようなラウンドが続いた。関係者らの不安がピークに達したそのとき、事件は起きた。

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