[連載小説]アイム・ブルー(I’m BLUE) 第3話 戦術家、ドクター・ノイマン

木崎f伸也
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木崎f伸也、初のフィクション小説。
イラストは人気サッカー漫画『GIANT KILLING』のツジトモが描き下ろし。

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【(C)ツジトモ】

 ドイツきっての戦術家、フランク・ノイマンはフランクフルト郊外にある自宅で、パソコンに向かっていた。足元で2人の幼い娘が、走り回っている。

 ノイマンは銀縁の眼鏡を外して、机の下の娘たちにやさしく話しかけた。

「パパはね、遠く離れた日本という国の試合を見なければならないんだ。明日たっぷり相手をするから、今日はママと遊んでおいで」

 日本代表を率いるメーメット・オラルから、「自分の試合を分析してほしい」と依頼があったときは正直、困惑した。ノイマンはドルトムンテでチャンピオンリーグ準優勝を果たし、夏からパリSCを率いることが決まっている。つまり主戦場はヨーロッパで、世界のサッカーに何の影響も与えないであろう日本代表の試合は1度も見たことがなかった。いくら戦術眼に絶対的な自信があるといっても、選手の能力・性格を知らないと、ピッチ内で起きていることを深く掘り下げるのは難しい。
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著者プロフィール

1975年、東京都生まれ。金子達仁のスポーツライター塾を経て、2002年夏にオランダへ移住。03年から6年間、ドイツを拠点に欧州サッカーを取材した。現在は東京都在住。著書に『サッカーの見方は1日で変えられる』(東洋経済新報社)、『革命前夜』(風間八宏監督との共著、カンゼン)、『直撃 本田圭佑』(文藝春秋)など。17年4月に日本と海外をつなぐ新メディア「REALQ」(www.real-q.net)をスタートさせた。18年5月、「木崎f伸也」名義でサッカーW杯小説『アイム・ブルー』を連載開始

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