ソフトB内川の安打製造機ぶりを検証 40歳シーズンで歴代トップ3に迫る!?

ベースボール・タイムズ

9日の西武戦で通算2000安打を達成したソフトバンク・内川聖一。球史に残るヒットメーカーをデータで探った 【写真は共同】

 福岡ソフトバンク・内川聖一が5月9日の埼玉西武戦の8回表にセンター前ヒットを放ち、プロ野球史上51人目となる通算2000安打を達成した。右打者史上最高打率、史上2人目の両リーグ首位打者、7年連続の打率3割達成など、さまざまな枕詞が付く歴代屈指の安打製造機の“凄さ”と今後の“可能性”について探求したい。

右打者では史上3位のスピード達成

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 まずは単純にそのスピードを見る。ドラフト1位で2001年に横浜(現横浜DeNA)に入団。高卒1年目の開幕戦に代走としてプロ初出場を果たし、翌02年の4月24日に中日・ギャラードからプロ初安打をマーク。以降、2000本のヒットを重ねるのに要した試合は1800試合。最後の1本には15打席を要したが、それでも福本豊(1790試合)に次ぐ歴代9位というスピード達成だった。

 さらに右打者に限れば、ラミレス(1695試合)、長嶋茂雄(1708試合)に次ぐ史上3番目のスピード。打者タイプはやや異なるとはいえ、野村克也(1983試合)や広瀬叔功(1896試合)、山本浩二(1944試合)、そして落合博満(1849試合)の大打者たちを上回る記録となった。球史に残る安打製造機であることは、これをもってしても疑う余地がない。

特筆すべきは安定性

【ベースボール・タイムズ】

 内川の2000本までの足取りで称賛されるべきは、その安定性だ。

 高卒5年目までは故障などもあってレギュラーをつかみ切れなかったが、6年目の06年に初めて100試合以上(124試合)に出場。規定打席にこそ届かなかったが、シーズン115安打を放っている。翌07年には本格的に外野手に転向して守備の負担から解き放たれると、8月には月間打率4割4分8厘をマーク。飛躍の予感を漂わせた。

 そしてプロ8年目、26歳となった08年に一気に開花。開幕から打率4割前後をキープしながらヒットを重ね、最終的に右打者最高打率の3割7分8厘を記録。首位打者、最多安打(189安打)などのタイトルを獲得した。

 それ以降の活躍は言うに及ばず。セ・リーグからパ・リーグへの移籍を挟みながらも、08年から14年まで、史上4位タイの7年連続打率3割を達成(右打者としては落合と並んで1位タイ)。9年連続でシーズン140本以上のヒットを重ねた。

 同時にチャンスでの勝負強さ、そして一発長打の魅力も併せ持ち、2ケタ本塁打は9度、60打点以上を8度マーク。現在の工藤公康監督の下では4番打者としての役割も与えられ、その中で快音を残してきた。

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著者プロフィール

プロ野球の”いま”を伝える野球専門誌。年4回『季刊ベースボール・タイムズ』を発行し、現在は『vol.41 2019冬号』が絶賛発売中。毎年2月に増刊号として発行される選手名鑑『プロ野球プレイヤーズファイル』も好評。今年もさらにスケールアップした内容で発行を予定している。

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