“大谷が抜けた”日本ハムの奮闘 若手の成長と競争原理で優勝争いへ
しぶとく勝率5割をキープ
大谷ら主力が多く抜けて、今季の苦戦が予想されていた日本ハムだが、開幕1カ月で勝率5割をキープしている 【写真は共同】
開幕カードこそ埼玉西武に本拠地で3連敗を喫したが、続く敵地での東北楽天戦から東京ドームでの千葉ロッテ戦にかけて5連勝を飾って体制を整え直すと、その後は連勝こそないが連敗も1度のみというしぶとい戦いを続けて勝率5割ラインをキープしている。
成績を見ても“しぶとさ”が分かる。近藤健介こそ開幕からヒットを量産してリーグトップの打率3割7分9厘の数字を残しているが、3割打者は近藤ただ一人。西川遥輝が打率2割2分1厘と低迷するなど、その他の選手は打率2割台前半の数字が並び、チーム打率2割3分5厘はリーグ4位。
投手陣も、エースとして期待される有原航平が右肩痛の影響で開幕時に不在で、チーム防御率4.05はリーグ5位と決して個々の状態がいい訳ではない。得失点差マイナス14(68得点82失点)が物語るように、負ける時は大差で派手に負けるが、きん差では勝負強さを見せ、ここまでの10勝のうち3点差以内が8試合、1点差も3試合と、きん差のゲームをモノにしている。
“次”への準備と“カンフル剤”清宮
そして、かつての大谷と同じカンフル剤として注入されたのが、清宮幸太郎だ。一挙手一投足、すべての注目を集める喧騒の中、周囲の選手たちにも火が付かない訳はない。春季キャンプでは前出の若手たちに加え、清宮と同じ左打者の平沼翔太、森山恵佑が猛アピール。当初はプロの投手と木製バットに戸惑い、3月には限局性腹膜炎で緊急入院して出遅れた清宮も、4月20日の2軍戦で1試合2本塁打を放って、ようやくながら“お目覚め”。22日にも2軍戦3号アーチを放つなど、ここに来て調子急上昇中だ。