左腕王国DeNAで期待の右腕が開花間近 飯塚悟史「全力で腕を振るだけ」

週刊ベースボールONLINE

1軍は緊張感、疲労感が違う

3月7日の阪神戦で5回無失点に抑えるなど、オープン戦3試合で防御率0.61と好投した飯塚 【写真=BBM】

 DeNAの先発ローテは開幕を前に不安を抱えている。ルーキーイヤーで2ケタ勝利を挙げた浜口が左肩違和感で離脱したのをはじめ、ウィーランド、今永もコンディションが整わない状況だが、一方で飯塚ら若手投手には大きな転機となる。めぐってきたチャンスをしっかりとモノにしたい。

──現時点でバリオス投手、熊原健人投手、京山将弥投手らによる先発ローテ争いが激しいです。

 みんな素晴らしい投球をしているので、負けたくないという気持ちです。ほかの投手がいいピッチングをしたなら、それ以上のピッチングをして印象を残さないといけません。僕自身も先発ローテを争うというすごくいい経験をさせてもらいながら、緊張感を持って楽しく投げられています。

──綾部翔投手、京山投手という同じ高卒右腕の存在は刺激になりますか。

 京山は僕が甲子園で投げる前日にいい投球をしました(3月6日、5回2安打無失点)。彼の姿をベンチで見ていて、うれしかったのと同時に自分もいいピッチングをしなきゃ、とすごく刺激になりましたね。DeNAは若いチームではありますが、さらに若い僕たちがローテに食い込んでいけたらな、という気持ちは強いです。

──昨年は8試合に先発し、1軍の先発ローテーションの一端を経験しました。

 1軍の中6日で投げるローテは、ファームでは感じることのなかった疲労を感じました。疲れを1週間でどう取り除けばいいのかなど、調整に苦労しましたね。1軍のローテ投手はこれをシーズン通して20試合以上続けるわけで、本当に強い体が必要だと感じました。精神的にも強くならないといけません。僕はまだ1シーズンを投げ切ったことがないので、今年はそれを経験したいと思っています。

──ファームでも中6日で回っていると思います。違いはどこですか。

 1試合の重みは1軍とファームでは変わりはありませんが、1軍での緊張感というか、勝ったとき、負けたときの周囲の反応はやはり異なりました。1軍はいろいろな人が携わり、大きな歓声があって……試合で投げたときの疲労感はかなり違いました。昨年、1軍はAクラスをかけて争っていたのでなおさらです。昨年、最後の先発登板は広島戦(9月13日、マツダ広島)でしたが、その試合に負けて巨人が勝ったら順位が入れ替わるという大切な試合でした。今までに経験したことのない雰囲気で、結果は初回に連打を浴び1回6失点で降板。チームも敗れ「やってしまった……」と言葉にならなかったですね。1軍はすごいところだなと実感しました。

──そうしたチームの中で、今、自分が果たすべき役割をどうとらえていますか。

 先発左腕が多い中で、右の先発も必要となってきます。僕が先発ローテを押し上げていきたいですし、1年間投げ抜いて、個人的に経験できなかったクライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズのマウンドに上がりたいですね。

──では今シーズンの目標は?

 まずは(プロ通算)2勝目をできるだけ早くマークすること。それがないと次に進めません。そしてフルシーズンでチームに貢献していくことです。

──昨年、先発が予定されながら雨天中止となってしまった地元・新潟での試合が今年は4月17日に予定(巨人戦)されています。

 それよりも前に2勝目を挙げたいですね(笑)。先発ローテーションの兼ね合いもありますが、もちろん地元で投げられればうれしいです。なかなか経験できることではないですからね。でも、その試合だけを目指してやるわけでもありません。任された試合は全力で腕を振るだけです。

(取材・構成=滝川和臣)

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