チーム成績を左右する新外国人投手たち マイコラス、上原浩治に近いタイプは!?
西武に加入した右腕・カスティーヨはMLBでは4シームの平均球速が156キロだった 【写真は共同】
そこで今回は、MLBが運営している『Baseball Savant』上で取得できるトラックマンのデータを使い、今シーズン新たに来日した新外国人投手を分析した。
球速ナンバーワンは西武カスティーヨ
新聞紙面で「MAX155キロ投手獲得!」などの見出しを目にすることも多い。そこでまず4シームの平均球速ランキングを見てみよう。
新外国人投手の4シーム平均球速ランキング。マルティネス、ジーは先発投手ながら140キロ後半の平均球速を記録した 【Baseball Geeks】
アウトの取り方がわかる?
トラックマンではボールの変化量を計測でき、客観的に球質を把握することができる。
昨年まで巨人で活躍したマイコラス(現カージナルス)の球質はメジャーリーグ平均に近い。打者は平均的な4シームを見慣れているため、上原のようなホップ成分(重力とは逆方向に働く力)が大きな球質は、いわゆる「伸び」が大きいボールに感じるのだ。
新外国人投手の4シームのボール変化量。ホップ成分が大きいボールは打者からすると伸びてくるように感じる 【Baseball Geeks】
また、ホップ成分が小さかった中日・ジー、巨人・ヤングマンのような4シームも武器になる。打者の予想よりも沈む感じになるため、ボールの上側をたたいてしまう。ジーはシュート成分が大きな2シーム系、ヤングマンはシュート成分が小さなカットボール系の球質なのも面白い。4シームの球質的には、ジーは右打者、ヤングマンは左打者からゴロを奪うのが得意かもしれない。
大活躍をみせたマイコラスに近いタイプという観点では、日本ハムのマルティネスが近いかもしれない。先発ながら平均球速が150キロ近いことや、縦カーブを武器としていることも共通点だ。開幕2戦目の先発が見込まれており、早速注目の投球が見られそうだ。
ここまで新外国人投手の傾向を4シームのデータから紹介してきた。
このようにどんなボールを投げるかが可視化できるようになると、選手を獲得する方法も変わってくる。例えば「マイコラスのようなタイプ」「上原のように伸びのある球を投げるタイプ」など、選び方も近い将来行われるだろう。ファンにとっても事前に選手のタイプを把握して、チームとの相性、活躍具合を分析するなど新たな楽しみ方が進みそうだ。
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