新戦力がチーム力アップの鍵を握る! パ・リーグの注目ニューフェイスを紹介

FAの人的補償で巨人から西武へ移籍した高木勇人 【写真は共同】

 平年より早く都内での桜の開花宣言が発表されたかと思えば、4日後の21日にはなごり雪が降るなど、まだ天気の移り変わりが激しい3月下旬。しかし、同時にプロ野球ファンにとって待望の、開幕の時が刻一刻と近付いていることを意味する季節でもある。

 2017年シーズンは福岡ソフトバンクが圧倒的な強さで2年ぶりの優勝を果たし、日本シリーズでは下剋上を目論む横浜DeNAを4勝2敗で撃破。シーズン中の勢いそのままに、見事日本一の栄冠に輝いた。しかし、今年はオープン戦でいきなり8連敗を喫してつまずくなど、昨季王者が絶対的とは言えず、混戦模様となっている。そこで、チームの浮沈を大きく左右する新戦力をおさらいし、パ・リーグの18年シーズンの行方を占っていきたい。

北海道日本ハム

 頂点に上り詰めた前年から一転、昨季は借金23を抱えて5位に低迷。今季は昨季からの大幅な上積みが必要なだけでなく、大谷翔平、マーティン、増井浩俊、大野奨太らの穴を埋めるという決して容易ではない課題もが降りかかる。それだけに、Bクラスからの巻き返しのためには、新戦力の活躍が必須であることは言うまでもない。

 投手陣では、新外国人投手の3人が中心となるだろう。中でも、守護神候補のトンキンがオープン戦で6試合に登板し無失点と好投を続け、期待通りの活躍を見せている。2メートル超えの長身から繰り出される直球は威力十分で、低めに決まる変化球との組み合わせで打者を翻弄(ほんろう)する。また、マルティネス、ロドリゲスの両右腕に関しては、ローテーション入りを確実なものにするためにも、さらに調子を上げていく必要がある。

 野手では、7球団が競合した清宮幸太郎に自然と注目が集まっているが、あまりの注目度の高さゆえに腹膜炎で体調を崩し、一時的な入院で離脱した。しかしながら、本拠地での練習試合ではフェンス直撃の二塁打を放つなど、素質の片りんは見せている。野手がしっかりと育つ土壌で怪物の才能が開花するか。

東北楽天

 シーズン序盤は首位争いを演じるも、故障者続出で優勝を逃した東北楽天。今季は、目立った補強こそないものの、チームにとって非常に大きな存在となるベテランが帰ってきた。涙のトレードから8年ぶりの復帰を果たした渡辺直人のことである。近年は出場機会が減っていたものの、打席で見せる勝負強さはいまだ健在。渡辺を尊敬する選手は多く、練習時や試合に臨む姿勢など、チームに好影響を与えることは間違いない。

 ドラフト加入組では、1位の近藤弘樹、2位の岩見雅紀が軸となるだろうか。近藤、岩見ともに1年目から十分な結果を残せる可能性を秘めており、チームの底上げには不可欠な存在と言っていい。

埼玉西武

 昨季後半に59年ぶりとなる13連勝で驚異の追い上げを見せた埼玉西武。しかし、前年に続き今年もFAで野上亮磨が巨人へ移籍し、ルーキー時代からチームを支え続けた牧田和久もメジャー移籍を果たすなど、解決すべき課題は山積している。

 そんなチームを救うべく、投手では野上の人的保障選手として加入した高木勇人が期待通りの活躍を見せている。オープン戦初登板となった9日の楽天戦で5回1失点。さらに古巣相手となった17日の登板では7回1失点と、さすがの投球を披露した。移籍した2投手の穴を埋めることはなかなか難しいが、2ケタ勝利は確実に狙える存在だろう。

 野手では、03年以来の古巣復帰となる松井稼頭央を挙げたい。メジャー挑戦後、楽天での7シーズンを経て15年ぶりにライオンズのユニホームに袖を通した。オープン戦では主にレフトの守備に就き、3割を超える打率をマーク。バックアップ要員としての活躍だけでなく、スタメン奪取の可能性も。

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