大谷翔平、OP戦初登板に「いい収穫」 相手打者が指摘した4シームの球質

丹羽政善

オープン戦初登板を果たしたエンゼルス・大谷翔平(写真左) 【Photo by Rob Tringali/Getty Images】

 初回、大谷翔平(エンゼルス)と対戦したブレット・フィリップス(ブリュワーズ)は、初球の真っすぐをフルスイングした。ファールになったその瞬間、マウンドからこんな声が聞こえてきたという。

「オォ〜!」

 フィリップスは辺りを見渡したが、それは紛れもなく、「大谷が発したもの」だという。

「誰かと思ったけど、大谷しかいないからね(笑)」

 大谷はもともと、感情を露わにするタイプだが、こういうリアクションは少なかったのではないか。メジャーならではのパワースイングに、少なからず彼は、何かを感じた。

 それは同時に、大谷が、メジャーのマウンドを実感した瞬間でもなかったか。

1回1/3を2失点、初被弾も……

 そのデビュー戦は、あいにくの気候ではあった。試合開始時の気温は13度。この時期のアリゾナにしては肌寒く、日陰に入ると、手がかじかむほど。

 しかし、週末に加え、大谷が、オープン戦とはいえ、メジャーで初先発するとあって、スタンドは盛況。試合前、彼の名前がコールされると、大きな歓声が沸いている。

 集まったメディアの数は、ブリュワーズの記者らも含めれば100人を超え、さすがの注目度。大リーグ公式サイトでも、デビューの様子が、トップで報じられた。

 ただ、それに比例する内容だったかと言えば、本人の言葉が如実にそれを物語る。

「内容はともかくとして……」

 初回、先頭のジョナサン・ビラーに、センターのまずい守備もあって、二塁打を許すと、1死後、ワイルドピッチ、捕手の送球ミスの間に先制点を与えてしまった。

 2回には、先頭のキーオン・ブロクストンにレフトスタンドへ運ばれ、メジャー初被弾。144キロのストレートが甘く入った。

 次打者のニック・フランクリンをレフトフライに仕留めたものの、その時点で球数が31球に達し、マイク・ソーシア監督がダグアウトを出ると、予定の2イニングを投げきれなかった。

 1回1/3、2安打、2失点(自責点1)、1四球、2三振。それがメジャーデビューの数字となっている。

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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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