羽生「モチベーションは4回転アクセル」 連覇から一夜明け、今と未来を口に
右足の治療に「専念できる時間が取れたら」
会見では金メダルを手に笑顔を見せた 【写真は共同】
右足の負担は正直に言って、大きなものになるとは思っています。実際にここまでくるにあたって、4回転ループが跳べたのが(平昌に)移動する前日。4回転ルッツに関してはまったくやらず、3回転ルッツが跳べたのも本当にギリギリだったので、痛みとの戦いの中、何とか……何とか跳べるようになったジャンプだったので。これからそのジャンプをどうしていくかは分からないですけれど、4回転アクセルに関しては右足の状況を見ながら習得を目指していきたいなと思ってはいます。
正直に言ってしまうと、やっぱり今、若干満足しているので、自分に。きっと多分、今幸せだからきっと不幸がたくさん来て、きっとすぐにまたつらい時期が来るんだろうなと思っています。ただ、それはきっと次の幸せのためのステップだと思うので、ケアも治療もリハビリも、すごくすごくつらい時だというのは分かりますけれど、そういうものに専念できる時間が取れたらなと思っています。
――もうちょっと滑りたいという中で、次に進むモチベーションはすぐに出てくるものでしょうか? ソチ五輪の時はまったく休まずに次のシーズンから、この連覇に向けての挑戦を続けてきましたけれど、この後のご自身は休むという選択肢はなく続けるつもりでしょうか?
(右)足首次第です。(今大会でも)本当に痛み止めを飲んで、注射を打てれば本当は良かったですけれど、注射が打てないような部位であって、痛み止めを何とか飲んで、という感じだったので。はっきり言って今、(足首の)状態がちょっと分からないです。ただ、はっきりと言えることは、痛み止めを飲まない状態では到底ジャンプを下りれる状態でもないし、跳べる状態ではないということは分かっています。なので治療の期間がほしいとは思います。ただそれが、どれくらい長くなるのか。アイスショーとの関連もありますし。せっかく金メダルを取ったからこそ、いろいろな方々にすぐに伝えたい、すぐにみんなが笑顔になってもらえるような演技をしたいとも思っているので、そこは前向きに検討はしていますが、競技としてということを考えると、ちょっとやっぱり治療の期間が必要だなと思っています。
モチベーションに関しては、スケートをもうやめたいということはまったくないです。何よりモチベーションはすべて4回転アクセルだけなので。もう取るものは取ったり、やるべきこともやったと思っています。後は、小さかった頃に描いていた目標、夢じゃなくて目標をかなえてあげる。それだけかなと思っています。
「誇りを持って金メダリストになれた」
ケガの状態については、はっきり言って詳細がよく分からない状態です。検査もちゃんとしたんですけれど、もともとじん帯が損傷してしまっていた部位、またその時(ケガをした瞬間)にやってしまった方向があまりにも複雑すぎて、簡単には(状況が)分からなかったというのもあり、いろいろな痛みが出てきてしまって、正直言ってどれがどこまで痛んでいるか、何の治療が最適なのか、ちょっと分からない状態です。まぁ、これくらいにしようかな(苦笑)。
3カ月間のメンタルに関しては……うーん、何て言ってほしいですか(笑)。特に自分の心から、自分の頭が先導でネガティブな方向に引っ張られることはなかったですけれど、環境、状況、状態、条件、そういった外的要因に、すごくネガティブな方向に引っ張られました。やっぱりそれだけスケートにいろいろなものをかけたし、いろいろなものを捨てたし、スケートだけでいいやって本当に思っているので。だから、「あ、これでスケートをやめなければいけなくなったらどうしよう」とまでも思っていましたし、今もどうなるか分からない状態なので。ちょっと複雑な状況でした。
ただ、こういう質問で終わるのも何なんで……うん、やっぱ、ね、明るい話なので、僕の場合は。こうやってスケートを滑れて本当に幸せです。五輪マークがあって、こんなにたくさんの方々に応援してもらえて、本当に本当の気持ちは、嫌われたくないってすごく思うし、いろいろな方に見られれば見られるほど、いろいろなことを話せば話すほど嫌われるし(苦笑)、いろいろなことを書かれるし、うそみたいな記事がこれからもっともっと出てくるんだろうなと思います。ただ、僕が話したこと、僕が作ってきた歴史、それは何ひとつ変わらないですし、自分の中で今回は誇りを持って、本当に誇りを持って五輪の金メダリストになれたと思っているので、これからの人生、五輪の金メダリストとして、しっかりまっとうしたいと思います。ありがとうございました。