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アイホとフィギュアはどこまで違う?
【対談】久保英恵×安藤美姫 後編
スマイルジャパンのエース・久保英恵と元フィギュアスケーターの安藤美姫さん。対談の後編では同じ氷上スポーツながら、どういう違いがあるのかを語り合った
スマイルジャパンのエース・久保英恵と元フィギュアスケーターの安藤美姫さん。対談の後編では同じ氷上スポーツながら、どういう違いがあるのかを語り合った【坂本清】

 アイスホッケーとフィギュアスケートは同じ氷上のスポーツだ。“滑る”ということについては共通しているが、靴はもちろん、滑りの技術、競技が行われるリンクの質まで大きな違いがある。その違いは、見ている者からすると分かりづらい。


 アイスホッケー日本女子代表“スマイルジャパン”のエースFW久保英恵と、フィギュアスケートの世界選手権で2度の優勝経験を持つ安藤美姫さんが、そうした疑問に答えてくれた。また2人が感じているそれぞれの競技の魅力はどういうものなのか。アイスホッケーとフィギュアスケートの未来も含めて語り尽くす。

靴の硬さはオーブンに入れて調整

――アイスホッケーとフィギュアは同じ氷上の競技ですが、靴はどう違うのですか?


久保 単純に前の刃にギザギザがあるかないか、長さと厚さも違いますね。あとアイスホッケーはカーボン製です。


安藤 アイスホッケーは靴と刃の長さが一緒なんですけれど、フィギュアはちょっと刃が出ているんです。


久保 私、幼稚園のときに滑ってみたんですけど、滑れなかったです。フィギュアの人の靴はみんなカスタムですよね?


安藤 私の靴は既製品です。ただ、足型を取って作っている人もいます。


久保 全員じゃないんですね。皆さん足型を取って作ってもらっているのかと思っていました。


安藤 でも最近はけっこう足型を取っています。あとは柔らかさの注文をつけたり。私の靴は既製品。誰でも買えますよ。「この色で」と言ったら買えます(笑)。アイスホッケーはどうですか?


久保 一応、型は合わせます。あとは既製品のままオーブンみたいなものに入れる。アイスホッケーはどの靴もオーブンに入れて、柔らかくするんですね。それに足を入れて紐を結ぶ。ちょっと時間がたって冷めてくるとその型になるという感じです。


安藤 フィギュアは基本的に底の部分をカスタムするんです。ただ、カスタムする人は自分の足の形にして、硬さとかもオーブンに入れて調整する人もいます。


久保 フィギュアもオーブンにかけるんですね。


安藤 最近はかけますね。

アイスホッケーとフィギュアの靴はどう違うのか。お互いの靴で説明する
アイスホッケーとフィギュアの靴はどう違うのか。お互いの靴で説明する【坂本清】

――他の競技の靴はどうですか?


安藤 スピードスケートはショートトラックと似ているんじゃないんですかね。かかとがカタカタ鳴る。アイスホッケーも滑ったことありますけれど、一番難しかったかもしれないです。履き心地が硬い感じがしました。


久保 カーボン製なので。角ばっても大丈夫なようになっていて軽いんですけれど、痛いですよね。(フィギュアの靴を持ってみて)すごい軽いですね。全然違いますよ。びっくりした!


安藤 フィギュアは軽い方が跳びやすいみたいな感じになっています。今はみんな、エッジの部分を変えられるものにして、すごく軽い靴を使っていますね。


久保 やはりトレンドは軽い方になっていますか?


安藤 そうですね。ただ、逆に重い方が好きという選手もいます。ソチ五輪にも出場した町田樹さんなんかは昔から日本の靴で、エッジも昔ながらのものを使っているスケーターもいます。

練習で一番嫌な思いをしているのは……

練習の兼ね合いで一番嫌な思いをしているのはショートトラックだと、安藤さんは考えている
練習の兼ね合いで一番嫌な思いをしているのはショートトラックだと、安藤さんは考えている【写真:松尾/アフロスポーツ】

久保 フィギュアの人は練習するときや調整するとき、氷の質は気になりますか?


安藤 気になります。でもだいたい試合は特設リンクなので柔らかい。アイスホッケーのリンクはすごく硬いですもんね。


久保 そうですね。フィギュアは柔らかい方がいいんですよね?


安藤 はい、アイスホッケーのリンクは硬すぎてびっくりしました。トウをついたりするときに痛くて(笑)。北海道のリンクはアイスホッケーが強いので硬いですよね。


久保 でも、東京のリンクは私たちにとっては柔らかいんですよ。私たちにとってはあれが滑りやすいんです。


安藤 愚痴言っていいですか? アイスホッケーの後に、練習するのは絶対に嫌です(笑)。


久保 私たちもフィギュアのあとはつらいです(笑)。


安藤 穴ぼこですね?


久保 そう、穴が開いちゃっているからそれにつまずくんです。


安藤 私たちはアイスホッケーの後だと氷がガリガリになっていて、そこに水が入っていたりするので、それに足を取られたりしますし、滑るとコトコトと揺れたりするんです。


久保 それは私たちもなります(笑)。


安藤 でも、たぶん一番嫌な思いをしているのはショートトラックの人だと思います。そう言えばこの間、ショートトラックの靴で滑ったんですよ。すごく安定するんですよね。


久保 本当ですか?


安藤 エッジの長さがきちんと計算されているから全然怖くないんです。靴の長さと形に合わせてエッジの長さがちゃんと合っているんだなと思いました。

スポーツナビ

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