【DDT】石川がHARASHIMA撃破で初代D王に! 両国で竹下の持つKO−D挑戦が決定

高木裕美

D王優勝決定戦は同世代ライバル対決

石川がDDT初のシングルリーグ戦、D王GPを制し、3.25両国で竹下の持つKO−D挑戦へ 【写真:前島康人】

 28日のDDTプロレスリング「D王 GRAND PRIX 2018 the FINAL!!」東京・後楽園ホール大会では、満員となる1214人を動員。春のビッグマッチである3.25東京・両国国技館大会に向け、メインカードが決定した。
 メインイベントでは、DDT初のシングルリーグ戦「D王 GRAND PRIX 2018」優勝決定戦が行われ、石川修司(Bブロック1位)がHARASHIMA(Aブロック1位)を破り優勝。3.25両国大会のメインイベントで、KO−D無差別級王者・竹下幸之介への挑戦権を手に入れた。

 フリーの石川は昨年、老舗団体・全日本プロレスで「チャンピオン・カーニバル」優勝を皮切りに、三冠ヘビー級王座戴冠、諏訪魔とのコンビで「世界最強タッグ決定リーグ戦」優勝などの輝かしい成績を残し、今年1.3後楽園では世界タッグ王座も獲得。プロレス大賞でも最優秀タッグ賞を受賞するなど、一躍、プロレス界の顔へと成長した。

 一方、DDT黎明期から所属選手として団体とともに成長してきたHARASHIMAは、団体の象徴であるKO−D無差別級王座をこれまで9度にわたり戴冠。通算防衛回数は歴代最多となる23回にも及び、ビッグマッチのメインに何度となく立ってきた誰もが認めるDDTのエースである。

 両者はほぼ同世代のライバルであり、デビュー間もない約15年前には「プロレス甲子園」の舞台で初対戦(HARASHIMAはマスクマンのHERO!として)し、HERO!が開始早々、場外へのトペ・スイシーダで足の甲を骨折しながらも石川に勝利。素顔での通算戦績は石川の3勝1敗で、最後の対戦となった16年12.4大阪では、HARASHIMAが蒼魔刀で石川に勝利し、KO−D王座を奪取している。

優勝の石川、両国で「withポーちゃんで勝って歌いたい」

石川が一気にたたみかけ、HARASHIMAを撃破した 【写真:前島康人】

 絶好調の石川は、この日も体格を生かしたパワフルなファイトでHARASHIMAを圧倒。開始8分ごろには、石川がロープワークをした際に、衝撃でリングが破壊され、ロープがゆるんでしまうアクシデントが発生。スワンダイブ式の攻撃を得意とするHARASHIMAには不利な状況となるも、HARASHIMAは逆にこのロープのたるみを利用して石川を場外へおびき出す作戦へ。石川のジャイアントスイングで客席に放り投げられながらも、エプロンからの蒼魔刀を突き刺していく。15分過ぎには、石川のカミゴェを逆に蒼魔刀で迎撃し、石川の巨体を担ぎ上げてハリケーンドライバーを炸裂するが、カウントは2。石川がファイヤーサンダー、ランニングニー、スプラッシュマウンテンとたたみかけると、HARASHIMAの顔面蹴りをブロックし、頭突き、カミゴェ、ランニングニーからのジャイアントスラムで勝負を決めた。

試合後は星野源の「恋」を熱唱。両国でもポーリーと共に披露したいと宣言 【写真:前島康人】

 またしても新たな勲章を手に入れた石川は「D王GP優勝の肩書きに恥じない戦いをしていきます」とファンに訴えると、現王者の竹下に対しても「そのベルト、オレが巻いた方がもっと輝くよ。だから、3.25両国でオレがもっと光らせてやる」と宣言。これに対し、竹下も「このベルトはオレより石川さんの方が輝くかもしれない。でも、僕は約1年間、このベルトを守ってきた意地でこのベルトを防衛する。もう一度、両国でこのリングを破壊しましょう」と、今回よりももっと激しく、もっとパワフルな戦いで、ベルトを死守すると言い切った。

 竹下が去った後、今度はDAMNATIONのメンバーがリングインし、石川を祝福。佐々木大輔の髪型いじりを頑なに拒絶する遠藤哲哉に促される形で、星野源の「恋」を熱唱すると、マッド・ポーリーも一緒に恋ダンス。最後は一緒にポーズを決めた石川が「3.25両国で石川withポーちゃんで勝って歌いたい」と、勝利のダンスを予告した。

 昨年の3.20さいたまで2度目の戴冠を果たして以来、歴代最多となる連続10度の防衛を達成している竹下だが、キャリア的にも体格的にも上をいく石川の挑戦はまさに脅威。他団体ファンからも高い評価を受け、男性からも女性からも支持される“進撃の巨人”に対し、DDTの未来を背負う若きエースが、さまざまなプレッシャーをはねのけ、至宝を守り抜けるのか。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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