今季のJはタイの“ビッグ3”に注目 万能型FWと「悪魔の左足」を持つ男が加入
Jリーグ勢キラーの左SB、ティーラトン
タイ代表主将のティーラトン(左)は「悪魔の左足」とも呼ばれる精度の高いキックが武器 【Getty Images】
ACLに初めて出場したのは、ブリーラム・ユナイテッド時代の12年。13年のACLでは大会のベストイレブンにあたる「ドリームチーム」のサブメンバーに選出される活躍を見せ、チームのベスト8進出に大きく貢献した。ブリーラムはタイリーグの急成長を象徴する存在としてアジアの舞台に登場してきたが、その成功はティーラトンの左足なくしてはあり得ないものだった。
ティーラトンの左足は、Jリーグ勢との対戦でも印象的な輝きを放ってきた。なかでも15年のACLグループステージでガンバ大阪を相手に決めた2つのゴールは衝撃的なものだった。G大阪のホームで行われた第1戦で直接FKを決めると、ブリーラムでの第2戦ではCKからの直接ゴール。その左足の威力は日本のメディアで「悪魔の左足」とも評された。
17年のACL鹿島戦では、その左足でFKを直接たたき込んだ 【Getty Images】
タイのメディアに対してはすでにティーラトン本人が神戸への移籍を認めており、ムアントン・ユナイテッドのオーナー企業でもあるタイの大手紙『サイアムスポーツ』によればムアントン・ユナイテッドが出場するACLプレーオフが終了次第、正式に移籍が発表されるといった具体的な報道もされている。「神戸のティーラトン」誕生は時間の問題だろう。
“ビッグ3”によってJの注目度はさらに高まる
だが、チャナティップの活躍と「提携国枠」の導入がその状況を一気に打破した。タイでは昨シーズンから本格的なJリーグ放送がスタートしており、各メディアでのJリーグの露出も飛躍的に増えている。3選手は現在のタイサッカー界の“ビッグ3”と言える存在だけに、今季はタイにおけるJリーグへの注目度がさらに高まることは間違いない。
「広島のティーラシン」と「神戸のティーラトン」が、「札幌のチャナティップ」のように機能するのかはもちろんやってみなければ分からない。だが、昨季のチャナティップ並みの驚きを与えられる実力を備えた選手たちであることは確かだ。タイの“ビッグ3”は、今季のJリーグの見どころの1つとなりそうだ。