サニブラウン「とてもいい経験ができた」 トップレベルで戦えた飛躍の17年

日本陸上競技連盟

フロリダ大での新たな生活

世界選手権終了後はすぐにフロリダ大へ。すでに新シーズンに向け練習を始めている 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

――その後、フロリダ大へ入学しました。世界選手権が終わって、すぐにフロリダへ向かったわけですね。

 はい。世界選手権が8月13日に終わって、14日に移動して、15日から学校でした。

――ハードスケジュール! それは入学式?

 いえ、オリエンテーションです。入学式は、セレモニーみたいなものはあったらしいのですが、必ず出ないといけないものでなかったので行っていないです。

――フロリダへ行ってみて、どう感じましたか?

 最初の1〜2週間は、結構いそがしかったイメージがあります。生活に慣れていないのもあるし、大学の敷地が広い中で、行ったり来たりすることがありました。

――大学の授業はいかがですか?

 最初慣れるまでは少し……、大変とまではいかないですけど、少し難しいかなというのがあったのですが、徐々に受けていくうちに慣れました。今学期は、結構満足できる成績が取れたと思います。

――学期はどう分かれているのですか?

 日本でいう「前期後期」みたいな感じですかね。8月中旬から12月中旬までが秋のセメスター(学期)で、1月から5月上旬くらいまでが春のセメスターです。そのあと、6〜8月にサマースクールといって自主的に取ってもいい授業があって、それを取ると、単位がもらえるので、その分、早く卒業できるという風になっています。

――学業をしっかりやっていないと、練習に参加できないと聞きました。

 そうです。成績が悪いと、練習に出られないです。

――練習は大学で?

 はい。今は、大学でやっています。

――どんな感じですか?

 チームメイトとわいわいやりながら、楽しくやっています。

――短距離ブロックみたいな分け方で練習するのですか? それともチーム全体で?

 短距離の中でも小分けされている感じがありますね。100メートル、200メートル(の選手が)セットで、200メートル、400メートル(の選手が)セットで、あと400メートル(専門の選手は)は400メートルみたいな。同じ課題を持っている選手ごとに、例えば、「この2人は持久力が足りないから、ちょっと持久力系の練習を。こっちはスピード系の練習を」みたいな感じで分かれていたりします。

――トレーニングの目的に応じて分かれているのですね?

 本当にそうですね。1人1人メニューが違うような感じです。

――いつやっているのですか? 朝練習は?

 朝練はないです。僕は、基本的に午後2時から練習をやっています。

――練習内容は? これまでにやってきたことと何か違いはありますか?

 オランダでやっていた練習とは、あまり大きな違いはないです。関連性はあるかなと思います。

――世界選手権以降、試合には出ていないわけですが、その間、課題にしてきたことは?

 スタートもそうですし、腕振りや脚の運びなど、改善点はたくさんあるので、1個ずつやっていこうかなと、コーチと話をしている感じです。

――マイク・ホロウェイコーチが見て下さっているわけですね? どんな方ですか?

 そうですね、面白いおじさんです(笑)。

――コーチはサニブラウン選手のことをどう仰っているのですか?

「おまえのポテンシャルは、おまえが思っている以上のものだ」みたいなことは言ってきます(笑)。また、「よくその走り方で速いな」とも言われます。「全然。だから伸びしろもある」と。

――コーチから見ると、まだまだ眠っている才能がいっぱいあり、もったいないと思うような身体の使い方をしているということなのでしょうね。

 はい(笑)。

――トレーニングは、オフシーズンの内容を?

 今ですか? いえ、もう1月から室内の試合が始まりますから……。自分は(試合に向けた)調整系のものはあまりやっていなくて、ちょっとスピード練習を始めたくらいの状態です。

――室内競技会には出ていく予定ですか?

 一応、出る予定でいます。60メートルと200メートルに。どの大会に出るのかはまだ分かりませんが、1月、2月に出ていきます。

2018年シーズンの展望

18年は「様子見」の年になると話すサニブラウン。2年後の東京五輪に向け、経験を積み重ねていく 【写真:YUTAKA/アフロスポーツ】

――2018年シーズンは、どういう展開を考えていますか?

「様子見」みたいな年になるのかなと思っています。大学のシーズンをこなして、国際的な大会にいかにつなげていけるかを知る意味で、19年の世界選手権(カタール・ドーハ)は10月ですし、2020年の東京五輪は8月ですから。まず、インドアシーズン自体が初経験なので、どういう流れになるのかなというのも分かりません。1月からシーズンが始まるなんて思ってもいなかったので、身体がどう反応するのかなと。要所要所でコーチと相談しながらやっていくという感じですね。

――室内シーズンからスタートする上に、欧米型のカレンダーでの競技日程となると、今までよりもずっと前倒しになりますからね。屋外シーズンになっても、試合は基本的には米国の競技会に出ていくのですか?

 日本の試合には、ほとんど出ないと思います。

――かなり絞っていくことになる?

 出ても日本選手権くらいになるのかなと思います。

――18年だと8月末にアジア大会(インドネシア・ジャカルタ)もありますが……。

 8月末だと学校も始まっていますし、「うーん」って感じですね。

――サニブラウン選手は早生まれなので、タンペレ(フィンランド)で開催されるU20世界選手権にも出場することができます。

 ああ、そうですね。U20世界選手権のほうは、選考していただけるのなら2冠を狙って頑張れたらいいなと思っています。

――記録的にはいかがでしょう? 100メートル、200メートルと具体的な目標タイムは掲げている?

 とりあえず、ベストは出せればなとは思っています。特に200メートルでは、しっかりベストを出していきたいなと。

――100メートルと200メートル、どちらかに比重を置くのではなく両方で?

 はい、両方をしっかりやっていければと思っています。

――日本で拝見する機会が減ってしまいそうなのは寂しいのですが、来シーズンは世界を舞台に、ひと回り大きく成長した走りが見られることを楽しみにしています。今日はありがとうございました。


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