「宮原選手の演技には幸せが出ていた」 安藤美姫が全日本フィギュア女子を解説
本田選手は“心”が離れていた
7位に終わった本田については「心が離れていた」と指摘する 【坂本清】
フリーで印象に残ったのは横井選手
フリーで印象に残ったのは横井。『バーレスク』は彼女の良さを存分に引き出す曲だった 【坂本清】
あとはショートでも挙げましたが、木原万莉子選手(同志社大)も印象に残っています。今回の試合を通して、木原選手の表現力だったり、ためるところなどは、全日本選手権を見に来たんだなと思いました。それと皆さん、竹内すい選手(大同大大同SC)がトリプルアクセルを跳んだことには気づかれましたか? あまりにさらっと跳んだので私も驚きましたし、会場もそこまで沸いていませんでした。回転不足でしたが、17位だった選手がトリプルアクセルにこの舞台で挑んでいるところにも、日本の層の厚さを感じました。
最後に、五輪に出場する選手に向けては、「『五輪だから』と気負わなくていいんだよ」と伝えたいです。五輪では知らない選手とも選手村で過ごして、いろいろな新しい出会いがあります。集中することは必要だと思うのですが、五輪の空気感や出会いの奇跡などをかみ締めて演技すると、競技の緊張が和らぐかもしれません。代表選手は国を背負って出場しますが、競技以上に得るものがありますし、五輪に出ることだけで素晴らしいことです。もちろん結果も大事ですが、それ以上に五輪の舞台でショートとフリーを悔いなく終われるように、自分らしくいられるように、五輪に行ける感謝の気持ちと、幸せな気持ちをいっぱい持って毎日を過ごしてほしいなと思います。
(取材・構成:大橋護良/スポーツナビ)