田嶋会長「世界基準で強化していく」 日本代表 年間スケジュール2018発表

スポーツナビ

西野委員長「日本が世界で躍動することを考える年に」

西野技術委員長は「日本サッカー界が世界で躍動することを考える年にしなければ」と来年の抱負を語った 【スポーツナビ】

西野 皆さん、こんにちは。いいですね、今映像で見ていただいたようなゴールシーンや勝ったシーンをたくさん見られるのは本当に素晴らしいことです。来年もこういったシーンが見られるよう、男子だけでなく、サッカー界全員で作り上げていきたいと思っています。

 今年は育成世代もU−17、U−20が世界大会に参加し、育成復活ということで世界大会に出場しましたが、ひとつの壁を越えることはできませんでした。予選をしっかりと勝ち抜き、ベスト16というチャレンジはできたものの、その後のチャレンジ、違うステージ、景色を選手は見ることができなかった。育成世代は来年さらに強化をして、当然再びアジアを勝ち抜いて、世界へ19年に入っていきたいと思います。

 そしてA代表は8月31日、あの感動のW杯出場を決めることができました。本当に苦しい中で勝ち上がり、サッカー界が盛り上がった瞬間が8月にありましたが、その後テストマッチを繰り返しながら、先日の東アジア大会の中で徐々にいい結果をお見せすることができず、最終戦でも非常に残念な結果に終わりました。8月31日のインパクトが少し消えかけている中で年を越さなければいけない。

 ただ、残念ではなく、来年W杯で取り返す準備を今日からしなければいけない。監督もさきほどミーティングでコーチングスタッフに言っていました。日本サッカー界が世界で躍動することを考える年に、来年はしなければいけないと考えています。

 A代表は東アジア大会が終わって、来年の3月まで全体が集合する強化の場がありません。そういう中で、日本の選手と海外組の選手でシーズンが違う中で、3月にコンディショニングをしっかり合わせて6月に向かっていくという難しさを抱えている。3月に欧州遠征を考えていますけれども、3月のテストマッチをしっかりと準備しなければならない。そして直前の合宿、W杯本戦へと入っていきますので、この強化遠征だけではなく、選手たちやチームにアプローチしていく必要がある強化をサムライブルーは考えていかなければいけない。事前のキャンプやテストマッチの相手は最終調整をしていますので、ここではお伝えできませんが、数少ない強化試合の中で6月19日にピークを持っていきたいと思います。

 U−21代表は、森保監督がタイで国際大会を戦ってくれましたが、来年年明けの2日からキャンプに入り、U−23のアジア予選が中国で開催されます。そして5月〜6月はトゥーロン国際大会への参加、8月のアジア大会と成果を上げていく。9月からは、ルヴァンカップ等で国内で強化をしていく。そして12月にもう一度海外遠征を考えています。

 U−19はまたアジアを突破して、19年の世界大会に向けて来年は10月にAFCの選手権がありますので、それに向けて海外遠征、3月の東南アジアを計画した中で、10月の選手権に入ってもらうということになっています。U−16は、19年のU−17の世界大会に向けての来年の強化ですが、2月に海外遠征、6月には毎年行っているインターナショナルドリームカップを仙台で行います。8月に海外遠征を行い、9月のAFC選手権に向けていい形で入れるように海外遠征を予定しています。

 狭間のU−18、U−17、U−15に関してもそれぞれ海外遠征を予定しておりますので、将来的にそうした世代から、五輪、A代表に続く強化を図っていきたいと思います。こういう海外遠征、国際大会への参加だけでなく、選手たちの日々の成長なくして代表活動は活発にならないので、Jリーグだけでなく、大学連盟、高体連、中体連等の連携もしっかりとって、世界基準を発信しながら選手・チームの強化を図っていきたいと思います。来年もよろしくお願いします。

ハリルホジッチ監督「W杯で誇りを感じられるような戦いを」

「もっとも美しく、もっとも大きく、もっとも危険な大会」とW杯を表現したハリルホジッチ監督 【スポーツナビ】

ハリルホジッチ 18年にはサッカー界で大きなイベントがある。日本代表はそこに参加する。地球規模のイベントだ。もっとも美しく、もっとも大きく、もっとも危険な大会だ。そこに参加するので、まずはしっかり準備しなければいけない。W杯の要求は高い。日本に住んでいるとヨーロッパでどのようなサッカーが展開されているのか忘れがちになるが、この代表にとって必要なピースをすべて集めたいと思っている。

 この前の土曜日の試合の後、自宅に帰り、リビングに入ったが、試合のことをずっと考えて眠ることができなかった。私は指導者になってから、ホームで4失点して負けたことがなかった。この試合を戦ったのがA代表ではなかったとしても、A代表候補がいるチームで、できるだけの準備をしてきた。

 今日、協会に来たらたくさんの批判記事があったと聞いた。そのような批判があれば、私は答えなければいけないかもしれないが、逆にそういった言葉を聞くと、より意欲的に続けたいと思う。私はアグレッシブに戦い、チームのために頑張るチームをロシアに連れていきたい。われわれより力が優れているチームはある。それを理解しないで発言する人も多いが、私はこのような経験はたくさんしてきている。

 会長をはじめ、西野技術委員長、スタッフ一丸となってW杯に向けてチームを準備していきたい。そして、W杯終了後は全日本国民がこのチームに対して誇りを感じられるような戦いを見せたい。W杯で戦うチームがロシアでベストを尽くすことを私は確信している。
――来年の海外遠征と5月の壮行試合、対戦相手のリクエストはあるのか?

ハリルホジッチ まもなく外国人スタッフがフランスに戻るが、ヨーロッパにいる選手たちの視察も行う。3月の試合に向けて、われわれはW杯の同グループになっているチームと特長の似ているチームを探している。それについていろいろと話し合っているところだ。そのような相手との試合を3月にアレンジできればと思う。つまり、セネガル、ポーランド、もしくはコロンビアと特徴の似ているチームだ。競技面、経済面、いろいろなことを考えながらのアレンジになるが、それに関しては前から進めてきている。これからも代表のコーチ陣は活動し続け、1月は全員少し休むが、2月からはたくさん現地での視察なども含めた活動が始まる。それを今、アレンジしている途中だが、日本ではリーグがいったん終了しているので、その期間はヨーロッパで視察することになる。

――先ほど「すべてのピースを集めたい」という言葉があったが、今一番頭を悩ませている、物足りなく感じているピースは何か?

ハリルホジッチ まずは選手選考だ。前回もヨーロッパでブラジル、ベルギーと対戦した。そして、EAFF E−1選手権も戦った。この試合を通じて、私はたくさんの選手に自分を表現する場を与えた。この中で、自分たちがA代表に立候補する機会を与えた。この後は、ヨーロッパの選手たちの視察を行う。クラブであまり試合に出られていない選手もいる。そういう選手たちともできれば話して、現状を把握したい。選手によっては、試合に出られないのならクラブを変えたいと希望している選手もいると思う。

 まずは3月に向けて、30〜35人くらいのラージリストを作りたい。そして3月の試合に挑んだら、30人くらいのリストになると思う。そこから23人のリストが生まれていくという流れになると思う。国内の選手も海外の選手もしっかり追跡していきたい。最近、国内選手のテストが行われたが、満足のいくものだった。選手たちと話ができ、今後そういうふうにフィジカル的な準備をしていくかという話もできた。もちろん、対戦国もこれからチェックしながら分析していかなければならない。

 3月の時点で頭の中にしっかり相手のイメージを描いて、彼らと対戦するときの戦術・戦略も練っていきたいと思っている。そして、われわれのロシアでの拠点も以前からいろいろ探していた候補の中でいいと思ったところにした。カザンは美しい町で、グループの3試合はカザンからそれほど大きくは離れてはいない。つまり、W杯に向けていいコンディションが整っていると言えると思う。ただ、W杯の準備の中ではたくさんの細かいディテールがある。そのためには選手たちともコンタクトをとりながら、話し合いながら準備を進めなければならない。チームにとってよりよい準備ができるものがあれば、それはすべて利用したいと思う。

 1試合目に向けて、チームの準備がしっかりできている状態を作りたい。初戦が決定的な試合でもあると思う。1試合目に向けて、しっかりそこにフォーカスして準備を行いたい。準備のところを説明すると何時間も話してしまうので、詳細まではお伝えできないが、コーチングスタッフ、メディカルスタッフとともに準備を進めたい。その準備期間はこれからの5カ月になる。現時点では、このチームはW杯で戦う準備はできていない。選手たちがW杯で活躍する準備ができるように、各スタッフの活躍も期待している。そしてW杯には勇敢に挑まなければいけないと思う。おとといの韓国戦で、私が最も残念に思ったのは、ホームで相手にああいう形で攻撃されて、それに対する反撃があまりなかったことだ。よってW杯ではもっと勇敢に挑まなければいけない。

2/4ページ

著者プロフィール

スポーツナビ編集部による執筆・編集・構成の記事。コラムやインタビューなどの深い読み物や、“今知りたい”スポーツの最新情報をお届けします。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント