2017年有馬記念は5歳3強vs.3歳の争いか キタサンV最右翼も気になるジンクス

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3歳スワーヴリチャードに勢いも中山が課題

 これら5歳勢が強力布陣を敷く中、「最強世代」と呼ばれた4歳馬はサトノダイヤモンド、マカヒキら主力が軒並み休養に入っており、この有馬も手薄な印象。もちろん、GI菊花賞2着、天皇賞・秋3着のレインボーライン、GII日経杯を制し宝塚記念でも4着と善戦したシャケトラに大駆けの可能性がないわけではない。

 しかし、未知の魅力という点では3歳馬だろう。特に牡馬は春クラシックシーズンではレベルに疑問符がついていたのだが、夏から秋にかけて、3歳馬が古馬を相手に重賞を立て続けに勝ったことで評価は逆転。極めつけは、GIオークス2着のモズカッチャンがGIエリザベス女王杯を勝ち、GI皐月賞2着のペルシアンナイトがGIマイルチャンピオンシップ制覇、さらに世代の代表馬であるダービーホース・レイデオロがJCで2着に奮闘したことだ。これはもう偶然ではなく、3歳馬のレベルが想像以上に高かったと見るべきだろう。

3歳代表のダービー2着馬・スワーヴリチャード、中山コースが課題に 【写真:中原義史】

 今年の有馬記念、3歳世代の代表となるのはGI日本ダービー2着のスワーヴリチャードだ。自身、古馬との初対戦となった前走のGIIアルゼンチン共和国杯で2馬身半差の快勝。レイデオロとの力比較からしても、この有馬のメンバー相手でも好勝負に持ち込めるはずだ。さらに今年、年間GI最多勝タイの6勝をマークしている絶好調ミルコ・デムーロが鞍上というのも心強い。ミルコはここで年間GI勝利記録を更新し、最高の2017年を締めくくるか。

 ただ、東京コースでの強さとは対照的に、中山では2番人気だった皐月賞が6着と案外の成績。この1戦だけで結論付けるのは早計だとも思うが、シュヴァルグラン同様に父ハーツクライで、長い脚を使うタイプだけに、小回りの中山コースでどれだけ能力を発揮できるかが課題だろう。こちらも枠順が鍵となりそうだ。

 また、同じ3歳ならサトノクロニクル、ブレスジャーニーも素質では互角以上のものを秘める。スワーヴリチャードが人気を集める分、穴を狙うならこちらの2頭か。

GI連対実績ある古豪が大穴を開ける!?

サウンズオブアースは一昨年の有馬記念2着馬、データでは不利な6歳馬だがその底力は侮れない 【写真:中原義史】

 穴と言えば、一昨年の有馬記念2着馬でGI2着が3度ある6歳サウンズオブアース、天皇賞・春と宝塚記念で2着に激走し大穴を開けた9歳カレンミロティックの古豪も侮れない。過去10年の有馬記念では6歳馬以上の活躍がほとんどないが、大穴が生まれるのはそうしたデータを覆したときだ。5ケタ配当では満足できない!という穴党は狙ってみる価値はある。

 このように出走各馬をチェックしてみると、下馬評は5歳3強vs.3歳スワーヴリチャード。常識的に見れば、この4頭がV候補と見ていいだろう。しかし、何が起きるか分からないのが競馬であり、小回りトリッキーな中山コースは展開ひとつ、乗り方ひとつで着順がいくらでも入れ替わる可能性を秘めた難コースだ。枠順はもちろん、最終追い切りの動き、当日の天気、馬場状態などしっかり見極めたうえで、馬券の最終結論を出すことをおススメしたい。

 なお、予想の重要ファクターとなる枠順は21日(木)17時から抽選会が行われる。スポーツナビではこの抽選会を速報しますので、そちらにもぜひ注目を。

(文:森永淳洋/スポーツナビ)

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