種牡馬傾向と近2年の厩舎別成績がカギ!? 朝日杯データ推奨はダノンPと藤沢和厩舎

JRA-VANデータラボ

今開催の阪神マイルでの脚質別成績と上がり順位別成績

表6 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 続いては今開催の阪神芝1600m戦の傾向を見ていこう。表6は脚質別と上がり順位別成績。先週の阪神JFを含めて5レースあり、先行馬がリゲルSのレッドアンシェルら4勝をあげている。道中先行できる脚があって、直線抜け出せる馬が勝ちやすい傾向にあるようだ。また、中団からの差し馬は阪神JFのラッキーライラックの1勝。阪神JFは2着リリーノーブル、3着マウレアも差し馬で上位を独占している。なお、逃げ馬・追い込み馬からは連対馬が出ていない。

 また、上がり順位別成績では、上がり最速だった馬がラッキーライラックら3勝をあげ、勝率・連対率・複勝率ともに高い。上がり2位の馬も2着2回で連対率・複勝率50%と優秀だ。

今開催の阪神マイルでの種牡馬別成績

表7 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 表7は今開催の阪神マイルでの種牡馬別成績。オルフェーヴルはステイゴールド産駒で、ディープインパクト・オルフェーヴル・マンハッタンカフェと有馬記念を制した種牡馬の産駒から勝ち馬が出ている。2・3着にもパワータイプの種牡馬が並んでおり、スピードよりも急坂をこなせるパワーを受け継いだ産駒が好走する傾向にあるようだ。

阪神芝マイルでの調教師別成績(2016〜2017/12/10)

表8 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 最後に表8は2016年以降の阪神芝マイル戦での調教師別成績。栗東のリーディング上位厩舎が大多数を占める中で、黄色で強調した美浦の藤沢和雄厩舎が特筆すべき好成績をあげている。思い返すと昨年暮れの2歳G1はソウルスターリング、サトノアレスと2週続けて藤沢和雄厩舎が勝利。複勝率は驚異の91.7%を誇っており、輸送も含めた阪神マイルへの仕上げ方のノウハウが確立されているのだろう。騎手別ではルメール騎手【3.1.2.1】、シュミノー騎手【1.0.1.0】の2人が複数回好走させている。

 他では西園正都厩舎が最多タイの7勝で単勝回収率・複勝回収率ともに高く、藤岡健一厩舎も複勝率47.6%と非常に高い率を残している。

結論

表9 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 今年の出走予定馬は表9のとおり。

 人気を集めそうなのが前走のサウジアラビアRCでレコード勝ちをおさめたダノンプレミアム。速めの流れのなか、道中2番手につけて直線も早めに抜け出して突き放す強い勝ちっぷりだった。週前半にも取り上げた2歳戦で特に好調の中内田厩舎の管理馬で、過去3年で2勝をあげているディープインパクト産駒。前走東京マイルを勝利しているのも好材料で、勝つ可能性が一番高いのではないだろうか。

 相手筆頭には表8で示した阪神マイルで好成績をあげる藤沢和雄厩舎のタワーオブロンドンを推したい。前走の京王杯2歳Sは上がり最速の33秒2で、2着に2馬身差をつける快勝。朝日杯FSを目標にしたローテーションで、ルメール騎手が継続騎乗なのも好材料だ。展開によっては、ダノンプレミアムを逆転するシーンも大いにありそうだ。

 上記2頭が1着候補で、他の連下候補として同じく藤沢和雄厩舎のファストアプローチ、好成績のディープインパクト産駒からケイアイノーテック、先行して速い上がりが使えるカシアスの3頭を挙げておきたい。ファストアプローチはシュミノー騎手が騎乗予定で、坂を苦にしないパワータイプ。ケイアイノーテックは前走複勝率が高いデイリー杯2歳S組で先行できるのが強みだ。カシアスは前走京王杯2歳Sで2着に敗れたものの、まだ底を見せていない点が強調できる。

文:ケンタロウ(けんたろう)
1978年6月、鹿児島県生まれ。早稲田大学社会科学部卒業。初めて買った馬券が大当たりし、それから競馬にのめり込むように。データでは、開催日の馬場やコース適性に注目している。好きなタイプは逃げか追い込み。馬券は1着にこだわった単勝、馬単派。料理研究家ではない。

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