弱いとファンが集まる“奇特”なクラブ フェイエノールトを支えるファンの存在
U−19チームは決勝トーナメント進出を決める
ファン・ブロンクホルスト監督(左)は「フェイエノールトにとって素晴らしい夜になった」と勝利を祝福 【Getty Images】
そのせいか、少し硬さが取れるのに時間がかかったが、どんどんエンジンがかかっていき、攻守で合格点を与えられる出来を見せた。試合後の場内一周では、スティーブン・ベルフハイスに背中を押されて1人、サポーターの前に立ち万歳三唱を繰り返す姿が初々しかった。
ファン・ブロンクホルスト監督は「マラシアで合っているよ」と言ってから続けた。
「ティレルは夏の準備期間でもトップチームにいたが、実戦経験を積ませるためU−19でプレーしている。本当なら今日はUEFAユースリーグに出るはずだったが、急きょ昨日トップチームに合流した。先発すると告げたのは今日。素晴らしいインターセプトがいくつかあった。良いクロスもあった。私は彼のプレーをとても楽しんだ」
この日の夕方には、同じロッテルダムにあるエクセルシオールのスタジアムで、UEFAユースリーグが行われ、4−3という激闘の末、フェイエノールトがナポリを下し、決勝トーナメントに進出した。
「2月、フェイエノールトU−19が決勝トーナメントを戦うということは、彼らの成長にとってとても貴重なこと。トップチームが勝ち、U−19が決勝トーナメント進出を決めて、今日はフェイエノールトにとって素晴らしい夜になった」(ファン・ブロンクホルスト監督)
オランダサッカーの現状が厳しいのは間違いないが……
ユーロに続きW杯出場を逃したオランダ。現状は厳しいが…… 【写真:ロイター/アフロ】
「タレントが出てこない」と嘆く声も聞くが、実際にはいる。アヤックスのジャスティン・クライファートは第13節のローダ戦で試合の雰囲気を一気に変える活躍を見せ、ハットトリックを記録した。MFフレンキー・デ・ヨングは10日のPSV戦でリベロを務め、広い視野と優れた戦術眼、勇気溢れるドリブルでの攻撃参加、一気に展開を打開するミドルパスで3−0の快勝に貢献した。
来季からアヤックスでプレーすることが決まっているフォルトゥナ・シッタートのセンターバック、ペル・スフールス(18)は、若くしてキャプテンを務める優れたパーソナリティーを持ち、2部リーグとはいえ、先日のRKC戦ではスーパーゴールを2つ決めた。
「タレントがいないという意見もあるが、タレントはいる。徹、ポジティブだ。ポジティブ!」
逆に私がオランダ人記者から励まされているのである。