メッシとロナウドに移籍の可能性はあるか 無視できない金銭問題とクラブとの関係

レアルとの衝突を繰り返すC・ロナウド

C・ロナウドは今季終了後に退団する意思をフロレンティーノ・ペレス会長に伝えたという情報もある 【写真:ロイター/アフロ】

 一方のC・ロナウドについては、今季ラ・リーガではまだ1ゴールしか決めておらず、メッシの12ゴールに大きく差をつけられているのも気になるところだ。現状について彼をよく知る人々は、何年も前から衝突を繰り返してきたレアル・マドリーとの関係がもたらした精神的消耗について言及している。

 実際、C・ロナウドは今季終了後に退団する意思をフロレンティーノ・ペレス会長に伝えたとの情報もある。移籍先と見られているのは、08年にクラブ世界一に輝いた古巣のマンチェスター・ユナイテッドだ。だがペレスの返答は、違約金を全額払わない限り、移籍を認める可能性はないというものだった。

 C・ロナウドの違約金を全額支払えるクラブなど、わずかしか存在しない。アラブ諸国からスポンサー料という形で莫大な資金援助を受けているパリ・サンジェルマン(PSG)とマンチェスター・シティ、そしてC・ロナウドの復帰を待ち望んでいるマンチェスター・Uくらいしか、それほどの資金を用意することはできないだろう。

 今夏にはネイマールがバルセロナからPSGに移籍した。そして来夏にはメッシとC・ロナウドが出て行くかもしれない。そうなれば、深刻な打撃を受けることになるラ・リーガは、近年ヨーロッパで維持してきた主役の座を維持すべく、思い切った改革を断行せざるを得なくなるはずだ。

(翻訳:工藤拓)

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著者プロフィール

アルゼンチン出身。1982年より記者として活動を始め、89年にブエノス・アイレス大学社会科学学部を卒業。99年には、バルセロナ大学でスポーツ社会学の博士号を取得した。著作に“El Negocio Del Futbol(フットボールビジネス)”、“Maradona - Rebelde Con Causa(マラドーナ、理由ある反抗)”、“El Deporte de Informar(情報伝達としてのスポーツ)”がある。ワールドカップは86年のメキシコ大会を皮切りに、以後すべての大会を取材。現在は、フリーのジャーナリストとして『スポーツナビ』のほか、独誌『キッカー』、アルゼンチン紙『ジョルナーダ』、デンマークのサッカー専門誌『ティップスブラーデット』、スウェーデン紙『アフトンブラーデット』、マドリーDPA(ドイツ通信社)、日本の『ワールドサッカーダイジェスト』などに寄稿

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