“英雄”ファラーがロードへ駆け出す マラソン本格挑戦へ「理解が重要」
来日していたファラーにインタビュー 【写真提供:NIKE】
ファラーの次なる挑戦はマラソンへと距離を伸ばすことになる。トラックで数々の栄冠を勝ち取ってきた英雄のロードでの活躍に期待が高まる。
そのファラーが10月6日に来日。『MO FAST TOKYO』と題されたナイキのトーク&ランニングイベントでは、ハーフマラソンの日本記録を更新した設楽悠太(ホンダ)と対談、また一般ランナーと一緒に“皇居ラン”で、都内を疾走した。
スポーツナビではファラーにインタビュー。マラソンへ臨むこれからの意気込みなどを聞いた。
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世界選手権1万メートルは「記憶に残る熱いレース」
世界選手権の男子1万メートル決勝では強さを示したファラー。「しばらくの間は記憶に残る熱いレースでした」と振り返る 【写真:ロイター/アフロ】
まったく違うレースでしたね。ロンドンは本当にきつかったです。2つの金メダル(1万メートルと5000メートル)が欲しかったのですが、それは無理でした。ただ、それを吸収し、次のレースに準備しました。また負けないように、勝ちたかったので集中して臨み、最後はしっかり勝てて終われて良かったです。
――特に世界選手権の1万メートルは非常にエキサイティングなレースでした。
とてもきついレースでした。本当にみんなが自分の敵で、「1人対全員」という形でした。みんながチームとして対抗してきて、お互いをカバーしながら自分を捕まえようとしていたのですが、そこに食い込まなくちゃいけないと思って走りました。うまく抜いていき、最後までエネルギーを溜め込んで走りました。自分としても素晴らしいレースだったと思います。しばらくの間は記憶に残る熱いレースでした。本当に、レースの中でたくさんのことが起こりました。
――本当に強かったですね。
ほんの4秒差でしたからね。ハードな戦いでした。
イギリスを拠点にトレーニング合宿を回る
「本当に子供の成長が早くて」と笑うファラー。家族を大切にする気持ちがマラソン転向へのきっかけでもあった 【写真:ロイター/アフロ】
これからイギリスに戻るところです。これまではオレゴン(米国のナイキ本社もある州)にいました。
――イギリスでの練習環境はすでに整っているのでしょうか?
出身地なので、よく知っているところだし、練習環境はあります。ただマラソンを走るとなると、トレーニング合宿にはたくさん出ることになります。エチオピアやケニア、それに高地トレーニングにも頻繁に出ることになります。
――イギリスを拠点にして、いろいろな国で練習することになるのですね。
トラックシーズンの時よりは減ると思いますが、マラソン練習にはトレーニング合宿が必要ですね。
――そもそもトラックでのキャリアを終えたのも、家族との時間を大事にするためですよね?
そうですね。本当に子供の成長が早くて怖いのですが(笑)、これからも家族を大事にしていきたいです。