３戦目までもつれ込んだ「２０１７　ローソンチケット　クライマックスシリーズ　パ」ファーストステージは東北楽天が２戦目、３戦目と連勝して決着。「初戦を落としたチームは１００％敗退」という、パ・リーグのクライマックスシリーズ（ＣＳ）における負のデータを覆しての福岡行きとなった。

　ファイナルステージは福岡ソフトバンクの本拠地・ヤフオクドームで最大６戦を開催。優勝チームのソフトバンクに１勝のアドバンテージが与えられ、先に４勝を挙げたチームが晴れて日本シリーズの出場権を手にする。勢いの楽天か、それとも王者のソフトバンクか。勝負を分けるポイントを一つずつ振り返り、ファイナルステージの行方を占う。

　今季の対戦成績はソフトバンクが１３勝、楽天が１２勝というほぼ互角の結果であった。しかし、ヤフオクドームでの対戦成績だけに限ると、ソフトバンクが５勝、楽天が７勝と立場が逆転。１勝のアドバンテージを加味すると、互角の戦いが予想される。

【過去５年の公式戦対戦成績】
２０１３年　ソフトバンク：１２勝　楽天：１２勝
２０１４年　ソフトバンク：１２勝　楽天：１２勝　
２０１５年　ソフトバンク：１６勝　楽天：８勝（１分）
２０１６年　ソフトバンク：１６勝　楽天：８勝（１分）
２０１７年　ソフトバンク：１３勝　楽天：１２勝

　過去５年間の対戦成績では、ソフトバンクが６９勝に対し、楽天は５２勝と前者が大きく勝ち越し。過去のデータを取るか、今年のデータを取るか。なおファーストステージでは、埼玉西武に大きく負け越していた楽天が勝ち上がりを果たしている。

　登板が予想される両チームの先発投手として、チーム内の勝利数上位の投手を中心とした７人をそれぞれ比較。対戦成績の詳細は以下の通り。

【ソフトバンク投手陣・楽天戦の成績】
・東浜巨：５試合３勝２敗　３２回２／３、７失点（自責点７）　防御率１．９３
・千賀滉大：５試合２勝２敗　２９回２／３、１９失点（自責点１９）　防御率５．７６
・バンデンハーク：３試合０勝２敗　１７回２／３、７失点（自責点７）　防御率３．５７
・石川柊太：６試合０勝０敗　１３回、６失点（自責点６）　防御率４．１５
・中田賢一：３試合１勝０敗　１３回２／３、５失点（自責点５）　防御率３．２９
・武田翔太：３試合１勝１敗　１４回２／３、６失点（自責点５）　防御率３．０７
・和田毅：１試合０勝０敗　７回、０失点（自責点０）　防御率０．００

　自身初のタイトルとなる最多勝に輝いた東浜が３勝、防御率１．９３と安定した活躍。次に２勝を挙げた千賀が続くが、防御率は５．７６。そして今季１３勝のバンデンハークは０勝２敗と、こちらもやや不安が残る。しかし、この３投手以外にも和田、武田ら実績のある投手が控えており、リーグ屈指の層の厚さで圧倒的な強さを見せつける可能性を秘めている。

【楽天投手陣・ソフトバンク戦の成績】
・則本昂大：７試合３勝３敗　５１回２／３、１３失点（自責点１０）　防御率１．７４
・美馬学：４試合２勝２敗　２６回２／３、１４失点（自責点１３）　防御率４．３９
・岸孝之：６試合２勝４敗　４３回、１５失点（自責点１５）　防御率３．１４
・辛島航：２試合０勝２敗　１２回、４失点（自責点４）　防御率３．００
・釜田佳直：２試合０勝１敗　９回２／３、９失点（自責点９）　防御率８．３８
・塩見貴洋：１試合１勝０敗　５回１／３、１失点（自責点１）　防御率１．６９
・藤平尚真：登板なし

　楽天の先発投手陣で目立った活躍を見せたのはエース・則本。３勝３敗ながらも防御率１．７４と安定している。１４日のファーストステージ初戦で登板したため、中５日となる２０日の第３戦での登板が現実的。エースにつなぐまでの２戦を、辛島、藤平らで乗り切ることができるか。