新生・侍ジャパンのチーム編成を考察 ベストオーダーを3パターンから探る

中島大輔

3パターンのオーダーを提示

中日ではショートを守った京田だが、大会ではセカンドを守る可能性も大いにある 【写真は共同】

 そこで、3パターンのオーダーを考えてみた。

<バランス型>
1(中)桑原将志(DeNA)
2(遊)源田壮亮(西武)
3(指)近藤
4(一)山川
5(右)上林誠知(ソフトバンク)
6(左)松本剛(日本ハム)
7(三)西川龍馬(広島)
8(捕)田村龍弘(千葉ロッテ)
9(二)京田陽太(中日)

<破壊力型>
1(中)オコエ
2(二)外崎修汰(西武)
3(指)近藤
4(一)山川
5(右)上林
6(左)松本
7(三)中村奨吾(ロッテ)
8(捕)宇佐見真吾(巨人)
9(遊)源田

<スモールベースボール型>
1(左)桑原
2(遊)源田
3(右)上林
4(一)山川
5(指)近藤
6(三)外崎
7(二)京田
8(捕)甲斐
9(中)オコエ

指揮官が二つのポジションで悩んだ理由

10月12日、「ENEOS アジア プロ野球チャンピオンシップ2017」のメンバー発表を行った稲葉篤紀監督 【写真は共同】

 WBCや東京五輪本番とは違い、今回は結果以上に内容、収穫が大事になる舞台であり、思い切った手を試すこともできる。そんな中、ポイントの一つがファーストとセカンドだ。オーバーエイジ枠の招集と絡み、稲葉監督はこの二つのポジションが悩みどころだったと明かしている。

「ファーストは結構外国人も来ますし、打撃の中心を打つ選手が各球団で多いので、U−24の若い世代でファーストを守っている選手がなかなかいませんでした。セカンドも中心となる菊池(涼介/広島)、浅村(栄斗/西武)もそうですが、U−24の中で1軍でやっている選手が少なかったというところで今回悩みました」

 ファーストは今季の西武で4番を任された山川が選ばれたが、長打力で匹敵するような選手はU−24世代にいない。一方、セカンドには菊池、浅村に加え、今回は呼ばれていない山田が控え、U−24の若手にとって乗り越えるべきハードルは高い。新人の源田や京田は普段守らないセカンドをこなしてユーティリティ性、今季大きく成長した外崎はパンチ力と機動力でアピールしたいところだ。

「アジアの中で自分のレベルを知ることも非常に大事ですので、そういう意味でも今回U−24代表ということで、当然日の丸を背負ってプレッシャーも大きいと思いますけど、今まで自分がやってきたことをそのまま試合で出してくれたらいいのかなと思います」

 指揮官のそうした期待を受け、来年のプレミア12、そして2020年の東京五輪に向けて、いよいよ始動する侍ジャパン。日本代表として臨む実戦は決して多くないだけに、選手たちは少ないチャンスでアピールすることが求められる。

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著者プロフィール

1979年埼玉県生まれ。上智大学在学中からスポーツライター、編集者として活動。05年夏、セルティックの中村俊輔を追い掛けてスコットランドに渡り、4年間密着取材。帰国後は主に野球を取材。新著に『プロ野球 FA宣言の闇』。2013年から中南米野球の取材を行い、2017年に上梓した『中南米野球はなぜ強いのか』(ともに亜紀書房)がミズノスポーツライター賞の優秀賞。その他の著書に『野球消滅』(新潮新書)と『人を育てる名監督の教え』(双葉社)がある。

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