ハリル「W杯のレベルからはまだ程遠い」 国際親善試合 NZ戦後の会見

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ハリルホジッチ監督はニュージーランド戦後の会見で「W杯のレベルからはまだ程遠い」と語り、選手にさらなるレベルアップを求めた 【写真:高須力】

 サッカー日本代表は6日、豊田スタジアムで国際親善試合ニュージーランド戦に臨み、2−1で勝利した。日本は後半5分に大迫勇也がPKを決めて先制したが、14分にクリス・ウッドに同点ゴールを許した。試合終盤の42分、日本は途中出場の倉田秋が酒井宏樹の折り返しをダイビングヘッドで押し込んで勝ち越し。倉田の代表初ゴールが決勝点となり、ニュージーランドに競り勝った。

 試合後、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督は「ボールをもう少し失わないようにゲームをコントロールしないといけない」「FKを得ることができていない」などの課題を挙げ、「ワールドカップ(W杯)のレベルからはまだ程遠い」と、選手たちにさらなるレベルアップを求めた。

 また、W杯ロシア大会に向け、「今年はたくさんの選手を見て、それぞれに何ができるのかを見極めることにしたい。そして3月以降は、より選手やプレーの仕方が固定されていくと思う」と、今後の強化プランも明かした。

 日本は次戦、10日に日産スタジアムでハイチ代表と対戦する。

ゲームをコントロールしないといけない

 勝利したが、楽なゲームではなかった。非常に面白い時間帯もあった。だが、おかしなことに、得点を挙げた後、相手にイニシアチブを取らせてしまった。特にスローインやFKからロングボールをゴール前に入れさせてしまった。そうなると失点して同点に追いつかれるのも当然だ。そのあと、もう一度スピードを生かして動きが出てきた。

 前半も後半も得点の機会をたくさん作ったと思う。今夜のゲームではたくさんのシュートを打ったが、枠にいくシュートが少なかった。そして素晴らしいプレーから、それに値する2点目が生まれた。

──香川真司はどうして代表に来るとパッとしないのか?

 香川は長い間、けがをしていた。もちろん(今は)彼のトップフォームではない。本人にも、本来のレベルを取り戻してほしいと要求した。プレーをしながら、どんどんよくなると思う。もちろん、他の選手との競争もあるが、よりいいプレーができるようになるだろうし、確実によくなると思う。

 たとえば代表に合流する直前のドルトムントでのゲームも素晴らしいものだった。しかし、われわれが知っている香川本来のレベルではない。ボールを持っていないときのプレーをより速くして、どんどんチームメートに絡んでいくことを要求している。トレーニングをしっかり続けて、高いレベルを取り戻すことが必要だと思う。

──出だしの20分は良かったが、その後ペースが落ちてしまった。後半、得点してからも相手にペースを握られた。これらについての分析は?(大住良之/フリーランス)

 このような形になるのは初めてではない。毎回ではないが、得点を取った後、止まってしまうことがたまにある。そのような時間帯で相手のCKやスローインが増えることも偶然ではない。ペナルティーエリアに入ってきて、日本の選手が少し焦る場面もあった。つまりゲームをコントロールできず、相手にそこを突かれてしまった。失点の場面も2対1の場面から簡単にクロスを上げられてしまった。そして9番の選手(ウッド)も、イングランドのチャンピオンシップ(2部リーグ)で得点王になったのが偶然ではないというプレーを見せていた。

 ただ(日本には)新しい選手がたくさんいることも考えなければならない。私も今日はいろいろと試した。チームとしてのトップフォームから程遠いことも、もちろん私は分かっている。今後の数カ月を使って、しっかりチームの状態をよくしていきたい。自らのレベルを上げないといけない選手も何人かいる。全員がトップフォームでいるわけではない。

 次の2試合目(ハイチ戦)も、新しい選手が何人か出てくる。このような形で戦うと、ハイレベルで戦うことは難しくなる。それでも私は、失点した後に(攻撃の)形を作ってスペースを作ったことは評価したい。新たに入った選手たちが、プレーにクイックネスやスピードを与えたと思う。私も今、いろいろと探しているところだ。完ぺきなゲームでなかったことも認識しているが、勝利したので(選手を)たたえたい。

 また、対戦相手のフィジカルが強く、いいチームだったことも考慮しなければならない。コンフェデレーションズカップでは、ロシア、ポルトガル、メキシコが彼らに勝利している。大きな点差で勝った試合もあったが、どのチームも勝利するために苦しんだ。ただわれわれも、ボールをもう少し失わないようにゲームをコントロールしないといけないと思う。スピードアップはしっかりと上げて、ペースを落としてボールをもう少ししっかり扱う時は、時間をしっかり使うことも考えないといけない。

 そこまで正確にできない、あるいは相手から読まれやすいプレーになってしまったかもしれない。相手はマンツーマンの形でマークしていたが、その激しさでボールを奪われてしまった。また、このようなスリッピーなグラウンドの場合、テクニックのクオリティーも上げていかないといかない。修正点はたくさんある。これからしっかりトレーニングしないといけないが、勝利を収めた。精神的なところで、いい影響があったと思う。何度も攻撃を仕掛け、形を作り、シュートを打った姿勢も良かった。そして、あのような素晴らしいプレーから得点が生まれたのは、このチームにとっての(正当な)報酬でもある。

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