【ノア】エドワーズが丸藤破りGHCヘビー初防衛 グローバルLは王者不在の戦いに

高木裕美

原田が3年ぶりに王座返り咲き

RATELSがGHCジュニアのベルトを独占。次期シリーズでは、4人による直接対決の防衛戦が行われそうだ 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 ジュニア戦線では原田大輔率いるRATELSが王座を独占。次期シリーズでは、シングル、タッグともにRATELS対決が実現することになった。

 GHCジュニア・ヘビー級選手権試合では、原田が王者・石森太二を破り約3年ぶりに王座返り咲きを果たした。

 原田は8.12横浜で大原はじめとの次期挑戦者決定戦を制し、挑戦権を獲得。「このベルトを防衛し続けて返上するくらいになったら、ヘビーに行ってもいいかな」という石森の発言に対し、「みんなヘビーに行ったから、自分もヘビーに行きますってふざけんな! もっと自分を持て」と怒りをあらわにしていた。

 その感情のマグマをぶつけるかのように、原田は5分過ぎに鉄柵超えのダイビングフットスタンプを繰り出すと、石森の450°スプラッシュをヒザ剣山でブロック。さらにハンドスプリングエルボーをキャッチしてジャーマンスープレックスで投げつけ、エルボー。ニーアッパーからの片山ジャーマンスープレックスで決着をつけた。

次期シリーズでRATELS対決が濃厚に

 GHCジュニア・ヘビー級タッグ王者組のHAYATA、YO−HEYは、DNAの勝俣瞬馬、MAO組を下し初防衛に成功した。

 HAYATA、YO−HEY組は7.27後楽園で行われた「第11回グローバル・ジュニア・ヘビー級タッグリーグ戦」決勝戦で、当時の王者組であったXXこと石森太二&Hi69組を破り初優勝。その勢いで8.26後楽園でも連勝し、王座を奪取すると、9.3大阪でノアへの正式入団を発表した。

 対するDNAはDDTプロレスリングの若手育成プロジェクトで、勝俣とMAOは大石真翔を加えた3人で、アイドルユニットNωAを結成している。両軍は「第11回グローバル・ジュニア・ヘビー級タッグリーグ戦」公式戦の7.15長野で対戦し、勝俣が高速カサドーラでHAYATAから3カウントを奪取していたことから、タイトルを懸けてのリマッチが決定した。

 NωAは大石を加えた3人で「ωe are the HERO!!」を熱唱。あくまでもアイドル道を貫くと、試合では、MAOがYO−HEYを台車に乗せて花道を走ったり、勝俣が花道からのムーンサルトアタックを放ったりと、ハチャメチャな攻撃を展開。YO−HEYにサンドイッチミサイルキック、合体チョークスラムを決めて見せ場を作るも、MAOの450°スプラッシュが自爆したのをきっかけに、王者組が猛反撃。YO−HEYがMAOにダブルニーアタック、合体フェースバスター、バンブードラゴンフライと一気にたたみかけて勝負を決した。

 ジュニアの3本のベルトを独占したRATELSは、無冠のタダスケと共に、4人でベルトを持ってリングを占拠。まずは原田が「やりたいことがある」と、タダスケとのタッグでHAYATA、YO−HEY組への王座挑戦を表明すると、タダスケも「シングルのベルトを懸けてオレと勝負してくれ」と原田に挑戦状。すでに4人の気持ちが極限まで高まっていることから、次期シリーズ中にも、RATELS対決が実現することが濃厚となった。

 一方、「GHCジュニアのベルトを巻きにきた」とノア参戦を果たした田中稔は、「門番」として立ちはだかった熊野準をミノルスペシャルで撃破。リング上で腰にベルトを巻くポーズを見せたものの、原田の戴冠後にはアクションを起こさず。これまで新日本プロレスのIWGPジュニアヘビー級王座、全日本プロレスの世界ジュニアヘビー級王座などを巻いてきたベテランが、ノアの至宝にいつ手を伸ばすのかも注目されるところだ。

親子タッグの藤波、因縁の相手と対戦

藤波(右)が息子LEONAとのタッグで越中(左)ら平成維震軍のメンバーと対戦 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 第6試合では藤波辰爾が長井満也、息子のLEONAとのチーム・ドラディションで、マイバッハ谷口、齋藤彰俊、越中詩郎組と対戦。新日本プロレス時代の1988年8月8日に師匠・アントニオ猪木と60分時間切れの伝説マッチを繰り広げた思い出の地で、因縁の平成維震軍+暴走鉄仮面トリオを迎え撃った。

 藤波は07年の9.9日本武道館でノア初登場(三沢&潮崎組vs.藤波&西村修組)を果たし、今回が4度目の参戦。LEONAとの親子タッグでは初となる。

 齋藤と越中はおそろいの平成維震軍の胴着で登場すると、いきなり場外戦を仕掛けるが、藤波は冷静さを失わず、谷口、齋藤にドラゴンスクリューを連発すると、谷口にはドラゴンスリーパー。LEONAも越中にドロップキック、谷口にブレーンバスターを放つなど奮闘するも、越中のヒップアタック、齋藤のニールキック、谷口のチョークスラム、マイバッハボム・ツヴァイに力尽きた。

 試合後、「マイバッハはマスクを脱いだんだね」と久々となったノアマットの変貌に驚いた藤波は「せっかくの6人タッグなのに、息子の方に目が行ってしまった。平成維震軍という戦い慣れたメンバーとの対戦だったが、懐かしむ時間がなかった」と、まだまだ戦い足りないといった様子だった。

 LEONAはZERO1の「火祭り」で敗れた拳王を追いかけてきたことがきっかけで、ノアマットに定期参戦を果たしており、今後もノアで親子タッグが見られる可能性がありそうだ。

岡林と長井がグローバルL参戦をアピール

元GHC王者の中嶋(左)とバチバチやりあった岡林(右)は、次期シリーズの「グローバル・リーグ」参戦をアピール 【写真:SHUHEI YOKOTA】

 10.14後楽園で開幕する「グローバル・リーグ戦2017」に向け、この日、新たに2人が出場に名乗りを上げた。

 今年の「グローバル・リーグ戦2017」出場選手は、すでに14人が決定して発表済み。他団体からも、田中将斗、宮本裕向、KAZMA SAKAMOTOといった実力者がエントリーしているが、さらに「飛び入り」が加わる可能性が出てきた。

 大日本プロレスの岡林裕二は、第7試合でムースと怪力コンビを結成し、中嶋勝彦、マサ北宮組に快勝。前GHCヘビー級王者である中嶋のミドルキックに逆水平チョップで互角に渡り合うと、昨年の「グローバル・リーグ戦2016」準優勝者の北宮をラリアット、ゴーレムスプラッシュで粉砕。試合後にリング上からマイクを要求し、「勝ったから好きなこと言わせてもらうぞ。おい、北宮、中嶋。おまえらとは全然やり足りない。そして、潮崎。おまえとも決着ついとらんぞ。オレをリーグ戦に出せや」と出場を直訴した。

 岡林と潮崎は今年の「FortuneDream4」6.14後楽園でタッグ対決し、潮崎が岡林のパートナーであった清宮海斗にショートレンジ豪腕ラリアットで勝利している。過去には岡林のパートナーである関本大介もリーグ戦に2度出場し、2014年には準優勝という実績も残していることから、岡林出場となれば、一気に台風の目となりそうだ。

 また、第6試合に出場した長井も、試合後に谷口と場外乱闘を繰り広げるなど、不完全燃焼のフラストレーションを爆発させると、バックステージで西永秀一レフェリーの胸ぐらをつかみ、「10月からのリーグ戦にオレを出せ。ノアの選手を全部食ってやる。ノアがオレを出さなかったら、戦わずして逃げたってことだ!」と、一方的に出場要求を突きつけた。

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著者プロフィール

静岡県沼津市出身。埼玉大学教養学部卒業後、新聞社に勤務し、プロレス&格闘技を担当。退社後、フリーライターとなる。スポーツナビではメジャーからインディー、デスマッチからお笑いまで幅広くプロレス団体を取材し、 年間で約100大会を観戦している 。最も深く影響を受けたのは、 1990年代の全日本プロレスの四天王プロレス。

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