小倉記念はグレイソヴリン系と相性抜群!? 荒れるサマーハンデ戦の激走穴馬を分析
表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
前走レースは重賞が多い。特に好ステップは七夕賞。そこで連対していた馬の好走例が多い印象だ。あとは皐月賞や天皇賞(春)、日本ダービーといったG1からの直行。安田記念や宝塚記念組よりも多い。あとは前走1600万クラスで連対をしている馬が有力だろう。
表2と同じように血統も見てみる。母父の系統はバラついているが、一応14年1着サトノノブレスの母父がトニービンだ。父系はサンデーサイレンスの系統が圧倒的。本当に同系統が多くなっており、他の系統はかなり厳しい。そんな状況だが、ハービンジャーやチーフベアハートといったダンチヒ系が少し目立つ。
小倉記念を6〜9番人気で好走した馬
表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
そして血統的にはやはりここでもグレイソヴリン系に注目。リクエストソングと、サンレイジャスパーのCozzeneが該当する。父系はヘイロー系が優勢だが、ミスズシャルダンやタマモクロスの馬が好走している。小倉記念は全般的に、グレイソヴリン系との相性の良さがうかがえる。
結論
表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】
今年も出走頭数は寂しく、登録の段階でフルゲートを割っている。こうなると二けた人気の数自体が減ってしまうが、注目馬を見つけていく。まずは母父がグレイソヴリン系は2頭。クランモンタナとフェルメッツァ。クランモンタナは昨年の勝ち馬だが、障害帰りというローテーション。かなり買いにくい印象だが、大穴という意味では軽視してはいけないかもしれない。
フェルメッツァは前走七夕賞が5着。芝2000mの重賞で掲示板に入る善戦をしている。過去の傾向では、6〜9番人気ならば狙いやすいというタイプと言える。そこまで人気薄ではないかもしれないが、上位人気でもない可能性もあるため、注目馬として推奨してみたい。
大勢力のヘイロー系では上位人気に支持される馬があまりいないかもしれない。ストロングタイタンもバンドワゴンも血統面だけで言うと、このレースにはかなり違和感がある。父はヘイロー系以外では、ダンチヒの系統が狙い目。ハービンジャー産駒のサンマルティンあたりの方が、昇級馬ながら新興勢力として面白い存在かもしれない。
文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。