小倉記念はグレイソヴリン系と相性抜群!? 荒れるサマーハンデ戦の激走穴馬を分析

JRA-VANデータラボ

表3 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 では1〜5番人気で好走している馬はどんな馬か(表3参照)。この点についても調べておく必要があるだろう。一応、好走馬の数では最も多い。1番人気は未勝利ではあるが、複勝率では最も高い。その他2〜4番人気の特徴というのはあまりなく、1〜5番人気までは一括りにして考えてみる。上位人気になるのでハンデは重くなるケースの方が多い。ハンデ57.5キロ以上でも好走例がある。ただし、連対例はなく3着止まり。連対馬は56から57キロが最も多い。軽い方では53キロまで好走例がある。

 前走レースは重賞が多い。特に好ステップは七夕賞。そこで連対していた馬の好走例が多い印象だ。あとは皐月賞や天皇賞(春)、日本ダービーといったG1からの直行。安田記念や宝塚記念組よりも多い。あとは前走1600万クラスで連対をしている馬が有力だろう。

 表2と同じように血統も見てみる。母父の系統はバラついているが、一応14年1着サトノノブレスの母父がトニービンだ。父系はサンデーサイレンスの系統が圧倒的。本当に同系統が多くなっており、他の系統はかなり厳しい。そんな状況だが、ハービンジャーやチーフベアハートといったダンチヒ系が少し目立つ。

小倉記念を6〜9番人気で好走した馬

表4 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 こうなると残りの好走馬として6〜9番人気も見ておく必要があるだろう(表4参照)。前走芝2000mの重賞で掲示板に乗っていたような馬が複数頭いる点は意外なところ。普通はもう少し人気を集めてもいいようなタイプだ。重賞で掲示板を外していた馬の巻き返しはエキストラエンドやナリタクリスタルで、両馬ともにハンデは重め。57キロ以上であった点に注目か。

 そして血統的にはやはりここでもグレイソヴリン系に注目。リクエストソングと、サンレイジャスパーのCozzeneが該当する。父系はヘイロー系が優勢だが、ミスズシャルダンやタマモクロスの馬が好走している。小倉記念は全般的に、グレイソヴリン系との相性の良さがうかがえる。

結論

表5 【画像提供:JRA-VANデータラボ】

 それでは今年の小倉記念を展望してみよう。出走予定馬は表5の通り。

 今年も出走頭数は寂しく、登録の段階でフルゲートを割っている。こうなると二けた人気の数自体が減ってしまうが、注目馬を見つけていく。まずは母父がグレイソヴリン系は2頭。クランモンタナとフェルメッツァ。クランモンタナは昨年の勝ち馬だが、障害帰りというローテーション。かなり買いにくい印象だが、大穴という意味では軽視してはいけないかもしれない。

 フェルメッツァは前走七夕賞が5着。芝2000mの重賞で掲示板に入る善戦をしている。過去の傾向では、6〜9番人気ならば狙いやすいというタイプと言える。そこまで人気薄ではないかもしれないが、上位人気でもない可能性もあるため、注目馬として推奨してみたい。

大勢力のヘイロー系では上位人気に支持される馬があまりいないかもしれない。ストロングタイタンもバンドワゴンも血統面だけで言うと、このレースにはかなり違和感がある。父はヘイロー系以外では、ダンチヒの系統が狙い目。ハービンジャー産駒のサンマルティンあたりの方が、昇級馬ながら新興勢力として面白い存在かもしれない。

文:小田原智大(おだわら ともひろ)
1975年6月、東京生まれ。早稲田大学商学部卒業後、業界紙記者を経て、(株)レイヤード入社。ライター&エディターとして活躍。JRA-VANデータの配信初期から、いち早くデータ競馬の有効性に着目する。05年5月より「競馬 最強の法則WEB」にて、障害戦を除く全重賞レースの傾向と対策、予想を展開。「オッズパーク ダートグレードデータ作戦」では、地方競馬の重賞の攻略にも取り組んでいる。仕事の関係でなかなか競馬場には行けなくなったが、年に1、2回行くローカル遠征が楽しみ。

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