高橋尚子×野口みずき、世界陸上を語る 懐かしの思い出と今大会の「見どころ」

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野口みずきさん(左)と高橋尚子さんの五輪金メダリストコンビが世界陸上の見どころを語る 【スポーツナビ】

 陸上の第16回世界選手権(イギリス・ロンドン)が8月4日に開幕する。大会3日目となる6日には、男女マラソンが同日開催。観光名所であるタワーブリッジを発着点とし、街の中心を流れるテムズ川沿い、都市部の歴史的建造物を巡る2012年ロンドン五輪と近しいコースとなる。

 日本代表は男子の川内優輝(埼玉県庁)、中本健太郎(安川電機)、井上大仁(MHPS)、女子の安藤友香、清田真央(ともにスズキ浜松AC)、重友梨佐(天満屋)が出場。世界大会の“集大成”と語る川内や、2度目のマラソンで世界デビューとなる安藤と、選手それぞれが胸に思いを抱き、世界の強豪たちと競い合う。

 今回は00年シドニー五輪金メダリストの高橋尚子さんと、04年アテネ五輪金メダリストの野口みずきさんに、大会の見どころなどを語ってもらった。

3年前の世界陸上が金メダルへの大きな鍵だった

五輪で金メダルを取る3年前の世界陸上をトラックで経験している2人。そこから世界のトップへと駆け上がっている 【スポーツナビ】

――まずはお2人の世界陸上での思い出を教えてください。

高橋 私は97年のアテネ大会で出場した5000メートルが最初でした。自分の能力以上を期待したこともあって、ものすごく緊張してカチカチに固まっていて、スタートの時に動けなかったです。ただその時の経験、世界の雰囲気を味わえたことがその後に繋がったと思います。
 それと、当時一緒に練習していた鈴木博美さんがマラソンで優勝されました。私の中ではペースメーカーを務めたことも多かったですし、5000メートルに出場したことよりも鈴木博美さんの金メダルの方がうれしかったです。それで「私もマラソンをやればもしかしたら」という気持ちになって、マラソンに向かうきっかけになりました。

野口 私の場合は、世界ハーフ選手権などに出場していて、世界の舞台を経験していましたが、世界陸上は01年のエドモントン大会に1万メートルで出場しました。本当にトラック種目で出場できると思っていなかったので、日本選手権の時も(3位に入り出場権獲得という結果に)ビックリで、(藤田信之)監督からは「棚からぼたもちや」と言われましたね(笑)。

高橋 やっぱりそこで1度経験したから、次の世界陸上ではマラソンでトップのレースをしたんだね。

野口 そうですね。2回目の世界陸上でステップアップできました。雰囲気も世界ハーフの時とは全然違って、短距離や投てきといった種目もあって、それを感じ取れて、良い経験をさせていただいたなと思います。
 03年のパリ大会では、(マラソンで銀メダルを獲得し)アテネ五輪の切符が取れたので、すごい思い入れがあります。その時は金メダルがキャサリン・ヌデレバ選手(ケニア)だったのですが、五輪ではリベンジができ、それも良かったです。

高橋 世界陸上では、日の丸を背負うことの意味が分かりますし、選手同士が一緒に活動するので、団結力と言いますか、日本の力を間近で感じられるのが、すごく大きかったです。

――今回のロンドン大会はリオ五輪翌年ということで、新星の登場にも期待が高まりますね。

高橋 五輪を機会に休む選手や種目を変更する選手もいますし、その中で一気に新人選手が活躍することも大いにあると思います。そんな原石みたいな選手たちが沢山見られるのは楽しみです。

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