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光っているのは主軸だけじゃない!
首位楽天を支える新戦力と明るいムード
本塁打を放ったウィーラーを出迎える梨田監督。指揮官を中心に明るい雰囲気もチームの持ち味
本塁打を放ったウィーラーを出迎える梨田監督。指揮官を中心に明るい雰囲気もチームの持ち味【写真は共同】

 野球って長いから――。サッカー好き、他のスポーツ好きに言われるたびに、確かにそうだよねと肯定するしかない。平均試合時間は3時間超。春から秋までのレギュラーシーズンの試合数は143試合を数える。


 でも、だからこそ見るほどに面白くなるのも野球だ。「強い」チームにも、裏側のいきさつは紆余曲折だらけ。それは、前半をリーグ首位で折り返した東北楽天も例外ではない。シーズン前、多くの専門家が楽天の首位を予想できなかったわけである。

前半戦最後は首位攻防で2連勝

「劣勢どころか、どうなることかと(笑)。3イニング続けて失点する則本は見たことないから。代えのピッチャーも危ないところがあったけれど、高梨がしっかり抑えてくれた。最後3人で抑えて、いいゲームになりました」


 梨田昌孝監督がこう振り返ったのは、前半戦ラストとなった福岡ソフトバンクとの2連戦初戦の後。多くの専門家が「首位」を予想したホークスと敵地での2連戦だったが、第1戦はエース・則本昂大が打ち込まれる中、0対4をひっくり返して5対4と逆転勝ちを収めた。


 この日19号ソロを放ったペゲーロや2打点のウィーラー、またプロ野球史上最重量(135キロ)のアマダーら、助っ人スラッガー三人衆のインパクトは他球団ファンも知るところだろう。加えて、打率3割2分5厘で首位打者を視野に収める銀次、オールスターに選出された2年目の茂木栄五郎(故障離脱中につき出場辞退)ら、野手陣の目覚ましい活躍ぶりも見逃せない。


 だが、やはり投手陣が粘っていることは大きい。前半戦、プロ野球記録となる8試合連続2桁奪三振を樹立した則本が、チームを多く勝利に導いてきたことは言うまでもないが、そのエースが打ち込まれても、代わった投手が抑える。チーム防御率3.12と失点259は、12球団ベストだ。


 続く第2戦も、チームの二枚看板となった岸孝之が、指を血で染めながら6回無失点の力投。代わったハーマン、高梨雄平、松井裕樹とで完封リレーを達成した。ペゲーロの飛距離156.4メートルという記録的ホームランでたたき出した2点を守り切り、二連勝を収めている。


「打線はつながりが悪くなったりする。つかみどころがないというか」


 あくまで冷静に指揮官は言う。それでも、目尻にシワを作りながら笑顔を崩すことはなかった。

誤算はあっても「選手が踏ん張ってくれた」

 エースやスラッガーだけに頼らない、“バランスの良さ”も光る。首位キープの前半戦を、梨田監督に振り返ってもらうと、「ギリギリのところをやりながらね。開幕からすごい大変なところを選手が踏ん張ってくれた」と、やりくりの苦労を漂わせつつチーム全体をねぎらった。


 シーズン開幕から、開幕投手の岸がインフルエンザで回避を余儀なくされたり、ローテーションに入ることを期待した安楽智大が右太ももの肉離れで戦力にならなかったり。計算が立つはずの先発投手陣の「誤算」は痛恨だったが、空いた穴を埋めて余りある選手の躍進があった。予想外の活躍をした選手を尋ねたところ、指揮官はまずルーキーの名を挙げた。


「あっ、それは森原とか高梨とかね、ルーキーが助けてくれた。森原のおかげでサブ(福山)に負担がかからなかったのは大きい。それにブルペンでは、松井がしっかりしてる。岸の加入と美馬が頑張ってくれたし、ノリ(則本)ももちろんね」


 開幕からの勝ちパターンは、6回が3年連続60試合登板のサブちゃんこと福山博之、7回がルーキーの森原康平、8回がハーマン、9回が守護神の松井だった。ルーキーながら大役を担った森原は、調子を落としたため2軍で調整中。現在、このスポットに高梨がハマっている。


 松井はリーグトップタイの27セーブで防御率0.22、福山は36試合に登板してなおも防御率0.00をキープ! 。岸の代わりに美馬学が開幕投手を務め、防御率でいえば岸がチームトップでリーグ2位の2.10、美馬が続く2.46とランキングに名を並べる活躍ぶりをみせている。


 野手では、茂木やペゲーロの功績を挙げた指揮官だが、茂木に代わってリードオフマンを担う生え抜きの島内宏明もねぎらう。その島内は11日に死球を受けた後、メディアから質問攻めに合うも、「僕がダメでも、田中がいますしね」とルーキーの田中和基を認めるコメント。ルーキーの存在が、チーム内でも過小評価されていないことがうかがえた。

松山ようこ

兵庫県生まれ。翻訳者・ライター。スポーツやエンターテインメントの分野でWebコンテンツや字幕制作をはじめ、関連ニュース、企業資料などを翻訳。2012年からライターとしても活動をはじめ、J SPORTSで東北楽天ゴールデンイーグルスやMLBを担当。その他、『プロ野球ai』『Slugger』『ダ・ヴィンチニュース』『ホウドウキョク』などで企画・寄稿。2018年よりアイスクロス・ダウンヒルの世界大会Red Bull Crashed Iceの全レースを取材。小学館PR月刊誌『本の窓』にて、新しい挑戦を続けるアスリートの独占インタビュー記事「アスリートの新しいカタチ」を連載中。

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