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大河チェアマン「稼いで未来へ投資する」
Bリーグ初年度を振り返る 経営編(2/2)

アリーナの予備節確保が難しい

アリーナの予備節確保が難しい現状が、地区制の組み替えを検討する際などにも大きく影響している
アリーナの予備節確保が難しい現状が、地区制の組み替えを検討する際などにも大きく影響している【加藤よしお】

――17−18シーズンは交流戦を6試合増やす「地域間格差」の調整がありました。3地区制をどうするかの理想像は別にして、そもそもアリーナ確保と絡んで実務的に変えられなかったようですが、そこの説明をお願いします。


 アリーナの予備節確保と言っていたのは、こういうことです。1部と2部の入れ替えが起きて、今まで西地区だと思っていたクラブが中地区に移る事態が起きました。そうするとホーム&アウェーの組み換えをしなければいけません。30試合ずつここがホームですよと仮に置いているんですけれど、30試合のうち何試合かは予備節を使ってホームとアウェーを反対にしてくださいという調整が生じるんです。


 例えば東地区は2つ(秋田ノーザンハピネッツと仙台89ERS)がいなくなって、川崎(ブレイブサンダース)と(サンロッカーズ)渋谷が入ってきたことによって、調整が難しくなりました。今まではホームが3ならアウェーが3で、同一地区内は釣り合っていたのが、ホームだと思っていたところが2個消えました。川崎とSR渋谷もちょうどホームだったらいいのですがそうとは限りません。(両チームの仮日程が)アウェーだったりすると同じ地区内にホームが1試合、アウェーが5試合という状況になってしまう。これは(2地区制にして)9と9に分けても似たことが起きます。


 最後の4節か5節はなんとか東は東、中は中でやろうとしても、なかなか制約条件が多くて、うまく回るか分からないのです。もっと予備節が増えて、60試合のうち「ホームでできない」という試合は10試合以内にできる。それくらいに体育館が取れるのならば、もっと(日程編成の)自由度は増えますね。


 サッカーは(J1)34節のうち、4試合日だけ「ここはできません」というのを出しているんです。Bリーグは「できません」という日が多すぎます。


――Bリーグは60試合、昨年なら32節ありました。多いクラブだとどれくらい「ここはホームでできない」という要望を出していたのですか?


数野真吾(競技運営部) 一次編成の前段にヒアリングがあって、「この節は外してほしい」みたいな話をします。もちろんこちらで飲めないところはあるのですが、多いところは30試合ホームがある中で「この辺じゃないと取れないです」くらいの話があったりします。30試合ちょっとの日程しか確保できないと。


大河 60試合ならば多くて10日、少なければ7日か8日を除いてあとは(アリーナを)取れますと言ってもらえればすごく助かりますね。


――地区制の組み替えや撤廃という意見もありますが、地区制についてはどうお考えですか?


 18チーム1地区制というやり方もあります。しかし個人的にホーム&アウェーで公平感があるリーグ戦をやった後のチャンピオンシップ(CS)は、やる意味がないと考えています。東地区、中地区、西地区でも東西の2地区でもいいんだけれど、カンファレンス制でやりながら、その中で勝ち残ったチームを強豪として認めて、本当のチャンピオンを決めればいいと思います。リーグ戦が完全に公平には終わっていないからこそ、CSの意義もあるというのが、僕らの考えなんです。

日本代表の活躍は来季の一つのカギ

2年目以降も「楽観視はしていない」と大河チェアマン。来季もその手腕が問われる
2年目以降も「楽観視はしていない」と大河チェアマン。来季もその手腕が問われる【スポーツナビ】

――2年目以降の難しさについてはどうお考えですか?


 楽観視はしていません。ただファーストシーズンの最初の20試合、真ん中の20試合、後半の20試合と3つに分けたときに、すべてのチームは真ん中より後半の方が入場者数が上がっています。最初と最後を比べると、これも上がっているチームの方が多いんです。シーズンの中で言うと入場者数が右肩上がりになった。


 CSのセミファイナル、ファイナルで良い試合となり、その印象も強く残ったと思います。その中でセカンドシーズンもどこまでクラブが営業努力をして、リーグもプロモーションをして、プラスになれるかということですね。僕も1割2割は伸ばすつもりでやっています。2800名弱の1試合平均が、何とか3000人に届くようにやっていきたいなと思っています。


 入場者数の要の一つだった秋田がB1からいなくなったとか、A東京が代々木第二を使えないとか、不安要素はあります。それでも気持ちとしては、集客を増やすチームが半分以上になってほしいと思っています。


――来シーズンはより良くなると期待している部分はどういうところですか?


 一番期待しているのは代表です。ワールドカップの予選がホーム&アウェーで始まってきますね。17年11月、18年2月と6月に日本代表がホームでワールドカップ、ひいては五輪出場も懸けたような勝負に挑むところに、メディアの皆さんも含めた注目度が集まることを期待しています。何としてもテレビ放映も含めてメディア露出をして、そこで選手が活躍する。これが特に大切だと思います。


 Bリーグはわりとオシャレになって、ちょっとしたブランド力を持ちつつやれるようになってきました。逆に代表の試合を見に行くと「5年前の試合の演出だ」みたいに言われる。そこは一新していかなければいけないと思いますが、代表チームの活躍は一つのカギです。


 もう一つは、クラブ自身の経営力をアップしていくことです。千葉が16−17シーズンに(1試合平均で)約4500人入れました。その前のシーズンが約3800人、更に前の年は約1900人ですよ。ということは2年で1900人が4500人になった。もちろん並大抵の努力ではないんだけれど、仕組みをしっかりやっていけば、そこまで延びる可能性のあるチームはたくさんあるはずです。大阪(エヴェッサ)とか横浜(ビー・コルセアーズ)、名古屋(ダイヤモンドドルフィンズ)などには、特に期待しています。

大島和人
大島和人

1976年に神奈川県で出生し、育ちは埼玉。現在は東京都町田市に在住する。早稲田大在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れ、世界中のスポーツと接する機会を得た。卒業後は損害保険会社、調査会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。バスケットボールやサッカー、野球、ラグビー、バレーなどの現場にも小まめに足を運び、試合観戦数は毎年300試合を超える。日本を実はサッカーだけでなくバスケ強国であるスペイン、バレー王国・ブラジルのような球技大国にすることが一生の夢で、“球技ライター”を自称している。

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