侍ジャパンでの貴重な体験を糧に狙うは次代のマリーンズ守護神 横山陸人投手 プレミア12で奮闘中
横山陸人投手 【千葉ロッテマリーンズ提供】
「抑えをやりたいんだろ?」。
横山陸人投手は4月24日の二軍落ち後、頻繁に食事に誘われ、そうハッパをかけられた。声の主は憧れの大先輩 益田直也投手。落ち込んでいるであろう後輩に気を配り、時間がある時は夕食を共にするようにしていた。
「そんなんやったらとれんよ。奪い取りにくるぐらいの気持ちで来いよ」。
マリーンズの絶対的守護神は10歳以上、年下の後輩の目標を知っていた。将来的には自分に代わって、ストッパーの座に君臨する。それが横山の目標であることを。だからあえて本人の前で堂々と、そう声を掛け、落ち込む若者に刺激を与え続けた。
4月19日のファイターズ戦(エスコンフィールド)で4番手として登板をした横山は押し出し四球を与えサヨナラ負け。敗戦投手となり、これを最後に一軍の舞台から遠ざかった。
「二軍に落ちた時は、結構、きつかった。周りが見えなくなっていた。あらためて試合終盤の大事な場面で投げる厳しさ、難しさを知りました。自分の球を投げられなくなっていた。そんなボクが二軍にいる時、益田さんが電話をくれて食事に誘っていただき、『しっかりとやれよ』、『そんなんじゃ抑えをとれんぞ』と励ましてくださった。本当にありがたかったです」と横山は振り返る。
横山は憧れの大先輩から背中を押され立ち上がり、二軍で原点回帰を行った。コーチからは「オマエの強みはなんだ?」と質問を受けた。一軍で必死に投げているうちに気付けば、忘れかけていた事だった。背番号「60」の強みはなんといってもサイドから繰り出される150キロを超える剛速球。特に高めのストレートは威力十分で打者のバットは空を切る。もう一回、その事も見つめ直し、強化した。そしてコーチと会話の中で野球の原点であるキャッチボールへの想いも考え直した。
「キャッチボールをアップのようなものではなく、しっかりと目的意識を持って取り組んだ。具体的に言うと相手の身体の左側に狙いを定めて絶対にそこにボールが行くように投げた。キャッチボールは毎日、行うので毎日、その練習が出来る」と振り返る。
一軍復帰登板となった6月5日のジャイアンツ戦(東京D)こそ2失点したものの、その後は連続無失点を続けた。6月16日のドラゴンズ戦(ZOZOマリンスタジアム)はブルペンデーの先陣を切り、先発し2回を無失点しチームの連敗ストップに貢献。プレーボール直後の初球は154キロを計測した。
今シーズン終わってみれば43試合に登板をして防御率1・71とチームの勝利を支えた。そして昨秋に続き、侍ジャパンのメンバー入りを果たした。国際大会での貴重な経験を糧に2025年はさらなる飛躍を狙う。次代の守護神候補はこれからも憧れの大先輩の背中を必死に追いかけ続ける。下を向いている時間はない。真っすぐ、ただ前を向いて全力で走り続けている。
文 千葉ロッテマリーンズ広報室 梶原紀章
横山陸人投手は4月24日の二軍落ち後、頻繁に食事に誘われ、そうハッパをかけられた。声の主は憧れの大先輩 益田直也投手。落ち込んでいるであろう後輩に気を配り、時間がある時は夕食を共にするようにしていた。
「そんなんやったらとれんよ。奪い取りにくるぐらいの気持ちで来いよ」。
マリーンズの絶対的守護神は10歳以上、年下の後輩の目標を知っていた。将来的には自分に代わって、ストッパーの座に君臨する。それが横山の目標であることを。だからあえて本人の前で堂々と、そう声を掛け、落ち込む若者に刺激を与え続けた。
4月19日のファイターズ戦(エスコンフィールド)で4番手として登板をした横山は押し出し四球を与えサヨナラ負け。敗戦投手となり、これを最後に一軍の舞台から遠ざかった。
「二軍に落ちた時は、結構、きつかった。周りが見えなくなっていた。あらためて試合終盤の大事な場面で投げる厳しさ、難しさを知りました。自分の球を投げられなくなっていた。そんなボクが二軍にいる時、益田さんが電話をくれて食事に誘っていただき、『しっかりとやれよ』、『そんなんじゃ抑えをとれんぞ』と励ましてくださった。本当にありがたかったです」と横山は振り返る。
横山は憧れの大先輩から背中を押され立ち上がり、二軍で原点回帰を行った。コーチからは「オマエの強みはなんだ?」と質問を受けた。一軍で必死に投げているうちに気付けば、忘れかけていた事だった。背番号「60」の強みはなんといってもサイドから繰り出される150キロを超える剛速球。特に高めのストレートは威力十分で打者のバットは空を切る。もう一回、その事も見つめ直し、強化した。そしてコーチと会話の中で野球の原点であるキャッチボールへの想いも考え直した。
「キャッチボールをアップのようなものではなく、しっかりと目的意識を持って取り組んだ。具体的に言うと相手の身体の左側に狙いを定めて絶対にそこにボールが行くように投げた。キャッチボールは毎日、行うので毎日、その練習が出来る」と振り返る。
一軍復帰登板となった6月5日のジャイアンツ戦(東京D)こそ2失点したものの、その後は連続無失点を続けた。6月16日のドラゴンズ戦(ZOZOマリンスタジアム)はブルペンデーの先陣を切り、先発し2回を無失点しチームの連敗ストップに貢献。プレーボール直後の初球は154キロを計測した。
今シーズン終わってみれば43試合に登板をして防御率1・71とチームの勝利を支えた。そして昨秋に続き、侍ジャパンのメンバー入りを果たした。国際大会での貴重な経験を糧に2025年はさらなる飛躍を狙う。次代の守護神候補はこれからも憧れの大先輩の背中を必死に追いかけ続ける。下を向いている時間はない。真っすぐ、ただ前を向いて全力で走り続けている。
文 千葉ロッテマリーンズ広報室 梶原紀章
千葉ロッテマリーンズ横山陸人投手 【千葉ロッテマリーンズ提供】
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