日本代表が踏み出した東京五輪への一歩 男子バスケ界が挑む、長く険しい道のり
東アジア選手権は3位に終わる
Bリーグ開幕後、初の公式戦となった東アジア選手権。日本は3位決定戦で中国に勝利し、3位で大会を終えた 【写真は共同】
アジアカップ、ワールドカップ(W杯)の予選、本大会、東京五輪は別個の大会ながら、前者が後者の予選を兼ねる。1本のレールとして、2020年までつながっているのだ。
バスケットボールは他のチームスポーツと違って五輪の「開催国枠」が保証されていない。日本は国際バスケットボール連盟(FIBA)の推薦を得るために、実力の証明が求められている。女子は昨年のリオデジャネイロ五輪で8強入りした世界的な強豪で、こちらの出場を危ぶむ声はない。しかし男子は出場の可否が完全に未知数で、19年に開催されるW杯への出場が1つ目のノルマになる。
他国に比べて本気度は高いメンバーで臨んだ日本
パビチェビッチ氏が日本の技術アドバイザーに就任し、暫定HCとして東アジア選手権までの指揮を任された 【写真:築田純/アフロスポーツ】
アジアカップの予選としてみれば、東アジア選手権は6チーム中5位以上が通過するという広き門。マカオや香港は明らかな格下で、“絶対に負けられない戦い”という緊張感はなかった。今後への布石を打つテストの場という側面もあり、韓国は平均24歳、中国は平均19歳という若いチームを送り込んでいた。
開催国の日本もU−19の世界大会に参加する八村塁、米国留学中の渡邊雄太が不在だった。ただ平均年齢は28歳と高く、他国に比べて本気度は高いメンバー編成だった。3日のグループリーグ初戦は韓国(世界ランク30位)に78−72で勝利する幸先のいいスタート。4日もマカオに大勝(119−47)し、グループAを1位で勝ち上がることに成功した(世界ランクは16年8月21日付で最新のもの)。
スコア以上の完敗だったチャイニーズ・タイペイ戦
準決勝でチャイニーズ・タイペイに73−78で苦杯を喫した日本。負けてはいけない相手だった 【写真は共同】
立ち上がりの日本は、米国出身のチャイニーズ・タイペイ代表クインシー・デービスに圧倒され、第1クオーターだけで14得点、8リバウンドという大活躍を許す。日本はその後の修正力を欠き、エースの富樫勇樹が第3クオーターの途中に足首の軽い負傷で退く不運もあった。最大21点差まで広げられるなど、スコア以上の完敗だった。
またリバウンドも「31−46」と完敗。特に得点へ直結するオフェンスリバウンドで「11−21」という大差をつけられた。太田敦也(206センチ、112キロ)、竹内公輔(206センチ、100キロ)、竹内譲次(207センチ、98キロ)らベテランのインサイドプレイヤーが、相手を押し出すボックスアウトの動きなどで奮闘していた。しかしパビチェビッチHCが「リバウンドで完結させるというところを怠っていた」と振り返るように、跳んで取るという詰めを欠いていた。
比江島慎が「自滅で負けてしまった」と悔いるように、安易なボールロストから相手に得点をプレゼントする場面も多過ぎた。オフェンスリバウンドからのセカンドショット、ディフェンスリバウンドやスティールからの速攻は相手を勢いづかせる、典型的な“悪い取られ方”だ。