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富樫勇樹「今はNBAよりも東京五輪」
Bリーグ初年度を振り返る プロ意識編
千葉ジェッツの富樫勇樹にBリーグ初年度を振り返ってもらった
千葉ジェッツの富樫勇樹にBリーグ初年度を振り返ってもらった【スポーツナビ】

 5月に閉幕したBリーグで、もっとも印象的なブレークを見せたのが千葉ジェッツの富樫勇樹ではないだろうか。23歳の彼が単なる個性派や異能でない「本物」として台頭した1年だった。


 新発田市立本丸中学、モントロス・クリスチャン高校(米国)でプレーしていた当時から話題になる存在だった。帰国後に加入した秋田ノーザンハピネッツ(当時bjリーグ)では、2012−13シーズンの新人賞も獲得している。そこから今季はスタッツを大きく伸ばし、Bリーグの主役に躍り出た。富樫の力もあってチームは1月のオールジャパンを制し、レギュラーシーズンも東地区の3位ながら栃木ブレックス、アルバルク東京に肉薄。千葉がB1のトップに並び立った1年にもなった。


 また、富樫は1月15日に行われたオールスターでMVPを獲得。ジャスティン・バーレルの「アシスト」を得て、167センチながらダンクシュートを決めるという遊び心も見せてくれた。富樫は人気的にも田臥勇太という日本バスケの“レジェンド”に迫る存在として、まぶしい光を見せている。今回はそんなBリーグの新星に今季の感想と今後の夢、そして彼が留学した地でもある米国のバスケについて語ってもらった。

流れを変えられる選手になりたい

オールスターでMVPを獲得するなど、今季まぶしい輝きを放った富樫
オールスターでMVPを獲得するなど、今季まぶしい輝きを放った富樫【加藤よしお】

――Bリーグでは全試合に先発し、日本代表でも主力として起用されました。飛躍の1年だったと思いますが、振り返っていかがですか?


 個人としてもチームとしても、本当に成長できたシーズンだと思います。Bリーグの初年度という、今まで以上のスポットライトを浴びたときに活躍できたのはすごく良かったです。


――今季はレギュラーシーズンで1試合平均13.2得点、4.0アシストというスタッツを残しました。もちろんチームの勝利は第一ですが、富樫選手が持ち味を出した証明だと思います。


 数字的に悪いわけではないですけれど、もうちょっとできたと思います。「13.2」は悪い数字ではないと思いますが。


――「もうちょっとできた」というのはどういう部分ですか?


 波ですね。1〜2月あたりに本当にダメな時期がありました。そういう時期を完全になくすのは無理だと思いますが、そういう試合数を減らさなければいけません。


――昨季はチャンピオンシップ(CS)のファーストラウンド(5月13日・14日)で栃木に敗れてシーズンが終わりました。試合後にどんなことを考えていましたか?


 そんなに落ち込まなかったですね。CSでの2試合、特に2日目の試合は、バスケの実力ということだけではない、チームとしての差を感じました。悔しいというよりは「来年頑張ろう」という気持ちにすぐなれましたね。


――「実力以外の部分」とは?


 チームがよくないときに、そこを「どうにかする」ことだと思います。「どうにかする」方法は自分の場合はアシストをしたり、もっと点数を取ったりするということです。無理に打つとかではないんですけれど、そういう時にしっかり決め切れる、流れを変えられる選手になりたいと思います。


――富樫選手は普段から第4クォーター(Q)にオフェンスのカギになるプレーを任されていますが、そういう状況の勝負強さという部分ですか?


 4Qではそれなりに決めている気が自分でもします。4Qというよりはシーソーゲームになっていて、相手にボーンと離されかけたとき。特に3Qが多いんですけれど、そういうところで相手に離されないようなプレーをしたいと思います。

前後半5分の3ゲーム目は個人的に反対

チャンピオンシップやプレーオフで導入された前後半5分の3ゲーム目に対し、「かなり反対」と異論を唱えた
チャンピオンシップやプレーオフで導入された前後半5分の3ゲーム目に対し、「かなり反対」と異論を唱えた【スポーツナビ】

――コート外のことをお聞きしますが、観客の変化は感じますか?


 今年は勝ちゲームも多かったですし、盛り上がりはありました。ただ観客数は千葉が1位ですけれど、うちは初めて来た方が他の会場よりも多いと思うんです。昨年(15−16シーズン)から観客数が増えていて、魅力をまだまだ少しずつ伝えていっている段階だと思います。人数も6000人くらい入って、栃木みたいな会場の空気で試合ができたらすごくいいなと思いますね。


――選手目線で「こうすればBリーグがもっとよくなる」と考えている部分はありますか?


 アリーナ問題はもちろんあります。NBAレベルまでいくのはもちろん難しいですけれど、どこも5000〜6000人は入れる会場があればいいなと思うんです。もちろん、そんな簡単に建てられるわけではないことも分かります。


 細かいところで言うと、CSやプレーオフの方式、カンファレンス制ですね。特に前後半5分の3ゲーム目をCS、プレーオフでやるというのが個人的には反対です。来シーズンは別の方式も検討してほしいと思います。ファイナルを1試合でやるのは、さまざまな理由で仕方がないと思います。ただ、ファーストラウンド、セミファイナルであの方式を採用する理由を選手側にも説明してもらい、ある程度選手側としても納得感のある方式になればと思います。ぜひ選手会の意見も聞いて、来シーズンはより良い方向に改善していってほしいと思います。


――富樫選手は髪形がトレードマークのひとつになっています。そこはやっぱりプロとして「見られている」意識があるのですか?


 最初は全然そういうわけではなかったんです。ただ単に髪がふさふさしているのが嫌だったので、こういう感じになっていったんですけれど。今では髪形でメディアにとりあげてもらえたりもして、すごくうれしいですね。


――激しい動きの中でも崩れない髪形を作るために、Jリーグ・浦和レッズの槙野智章選手からアドバイスを受けたそうですが。


 同じような髪形をしていて、サッカーってヘディングもするのに崩れないのが疑問だったんですよ! DFのポジションってヘディングが絶対にあるじゃないですか。何を使っているのかが不思議で、聞きましたね。


――槙野選手に教えてもらった整髪料をそこから使っているんですか?


 絶対にそれを使っているというわけではないんですけれど、槙野選手が使っているのも使ってみているという感じです。いろいろと使っています。

大島和人
大島和人

1976年に神奈川県で出生し、育ちは埼玉。現在は東京都町田市に在住する。早稲田大在学中にテレビ局のリサーチャーとしてスポーツ報道の現場に足を踏み入れ、世界中のスポーツと接する機会を得た。卒業後は損害保険会社、調査会社などの勤務を経て、2010年からライター活動を開始。バスケットボールやサッカー、野球、ラグビー、バレーなどの現場にも小まめに足を運び、試合観戦数は毎年300試合を超える。日本を実はサッカーだけでなくバスケ強国であるスペイン、バレー王国・ブラジルのような球技大国にすることが一生の夢で、“球技ライター”を自称している。

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