決して驕らず、ストイックな現代の侍 4度目の世界水泳に臨む小堀勇氣
■小堀勇氣を知る3つのポイント
・石川県出身。『北陸の怪童』と呼ばれていた。
・「自分はまだまだ」と驕(おご)らずストイックな姿勢。
・リオデジャネイロ五輪(以下、リオ五輪)では、4×200メートルフリーリレーでの銅メダル獲得に貢献。
『北陸の怪童』と呼ばれたジュニア時代
リレーメンバーとして世界水泳に臨む小堀勇氣(中央)。リオデジャネイロ五輪では、4×200メートルリレーの銅メダル獲得に貢献。レース後はマイケル・フェルプス(米国)とも握手を交わした 【写真:ロイター/アフロ】
結果が悪いと「自分はまだまだ。課題はたくさんありますから、これから克服に取り組んでいきます」と答え、たとえ記録が良くても「世界から見ればまだまだですから、もっと良い記録を目指して頑張ります」と答える。常に世界を目指し、もっと、もっとと自分を追い込む小堀は、まさに一意専心の想いでストイックに水泳に取り組む。時には、そのストイックさが仇(あだ)となり、思うような結果を出せないことも多く、実はタイムの浮き沈みも激しいところがある。
武器は勝負強さ 五輪メダルにも大いに貢献
五輪で発揮した勝負強さは、世界水泳でも武器になるだろう。写真は3月のマドリード・オープン男子200メートルバタフライで優勝した小堀(中央) 【写真:ムツ・カワモリ/アフロ】
世界水泳への代表権を懸けた4月の日本選手権では、自由形(100メートル、200メートル)で成績が振るわず個人種目での出場権を逃すと、フリーリレーメンバーとしても“代表候補”にしかなれず。それでも最終日、100メートルバタフライで51秒98をマークし、メドレーリレーメンバーとして4度目となる世界水泳の代表入りを決めた。
決して驕らず、自分の実力を高める。ひとつの事柄に対して脇目もふらず取り組む。その一途(いちず)な想いこそが、小堀の強さの秘密にほかならない。
『北陸の怪童』はいつしか成長して大人になった。『世界の怪物』となるべく、今日もひたすらに“現代の侍”のごとくトレーニングに励む。その努力が本当の意味で報われるのは、もうすぐだ。
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