マクラーレンが抱える新旧体制のギャップ 今宮純のF1ザ・ショウダウン
長期低迷という屈辱的な現在
インディ500にの写真をプレゼントされるアロンソ。左からザック・ブラウン、フェルナンド・アロンソ、俳優のマイケル・ダグラス、マンスール・オジェの各氏 【LAT】
カナダGP前後からホンダ批判の『ブラウン発言』が取りざたされてきた。その発言内容には彼の背後にいる株主側の意図(思惑)がちらつく。未勝利どころか無得点、完走率50%以下、最下位は到底受け入れられない屈辱の結果。
チームを率いるリーダーにはプレッシャーがのしかかり、情報操作としてネガティブ・コメントを英国メディアに流さざるを得ない……。
新生マクラーレン・ホンダ構想が発表されたのは4年前の13年5月16日。ロン・デニス氏と当時のホンダ社長による壮大なプロジェクトは新たに、ブラウン氏と異なる社長に受け継がれている。
旧体制から新体制への移行は政治側面の案件だが、そこに技術面でパワーユニット問題が絡み、さらにエースたるフェルナンド・アロンソの次期契約問題もある。現時点で決まっているのは18年からザウバーにホンダPUが供給される、ということだけだ。
旧体制が決め、それを新体制が引き継がねばならないマクラーレン・ホンダ。もうこれ以上『プランX』を先送りできない時期が来つつある。最高レベルの会議でキャスティング・ボートを握るのは、オジェ氏だろうか。