日本時間６月１７日（土）に開催される「ＵＦＣファイトナイト・シンガポール」には、日本の井上直樹、五味隆典、佐々木憂流迦が出場、それぞれカールス・ジョン・デ・トーマス（フィリピン）、ジョン・タック（米国）、ジャスティン・スコギンズ（米国）と対戦する。

　五味、佐々木といった注目の日本人選手が顔をそろえる中、ＵＦＣ初戦に挑むのが１９歳にして世界最高峰の総合格闘技団体ＵＦＣとの契約を勝ち取り、試合を目前にした６月１４日に２０歳になったばかりの井上直樹だ。

　ＤＥＥＰで１０連勝を挙げてオクタゴンへの切符を手にしたフライ級ファイターの井上。米国の「Ｉｎｖｉｃｔａ　ＦＣ」などで活躍するＤＥＥＰ　ＪＥＷＥＬＳストロー級王者の魅津希を姉に持ち、いずれ２人そろってＵＦＣに参戦したいと明かしている。

――２０歳のお誕生日を迎えられたばかりの井上選手の格闘技歴を教えてください。

井上　小学校１年生の夏に、強くなりたいと思って白心会に入って空手を始めました。以来、ずっとここで練習しています。やがて寝技の練習もするようになり、姉の試合を見るなどしているうちに、総合を目指すようになりました。

――ＵＦＣからオファーがあった時には、どんな風に思いましたか？

井上　小さい頃から夢見て、これだけを目指してきたので、うれしかったです。

――プロ戦績は１０勝０敗、一本勝ちが７つあります。最後はサブミッションで極める、というのが井上選手の戦い方ですか？

井上　ノックアウトか一本で勝ちたい、というのはあります。得意技は腕十字です。

――お姉様である魅津希選手とファイトスタイルは似ている？

井上　技術は全然追いつかないですけど、相手の攻撃が当たらないところは似ていると思っています。昔から、ダメージが残らないような戦い方を心がけています。

――お姉様の応援やセコンドとして、米国での試合に行ったことはありますか？

井上　いえ、ありません。でもシンガポールには姉には練習相手として来てもらう予定です。

――お姉様から、試合に先立って何かアドバイスは？

井上　海外の選手は爆発力があるから注意するよう言われました。僕は海外の選手と戦った経験がないので、気をつけないといけないと思っています。

――こんな天才姉弟を育てた親御さんは、いったいどんな方なのでしょう？　元格闘家ですか？

井上　いえ、違います。昔は父も運動神経がよかったと聞いていますが、今はお腹が出ています。

――自分たちが世界最強の姉弟だと思いませんか？

井上　それは分かりませんが、姉弟でＵＦＣにい行けたらすごくいいなと思っています。

――対戦相手のトーマスについては、どんな選手だと見ていますか。

井上　僕と同じ２０歳にして、フィリピンの団体のチャンピオンなので、素晴らしい選手だと思います。僕はまだベルトを持っていないので……。

――井上選手はこれから、どんなファイターと戦ってみたいですか？

井上　目標にしている選手はデメトリアス・ジョンソン選手（米国）ですが、まずはランカーの選手と戦ってみたいです。それと、佐々木（憂流迦）さんとも戦ってみたいです。まず日本で一番になって、それから海外でも一番になれたらと思うので。

――井上選手はＵＦＣへの道を選びましたが、国内の格闘技シーンでも若い世代の活躍が目立つようになりました。意識するところはありますか？

井上　意識します。総合はどちらかといえば年齢が高い選手が多いので、若い選手同士で戦うことがあればいいなと思います。

――最後にファンへのメッセージをお願いします。

井上　シンガポールでの試合、がんばりますので応援よろしくお願いします！　そして、９月の日本大会には僕も出られたらいいなと思っています。