米三冠最終戦エピカリスはラニを超えるか 鍵握るケンタッキーダービーからの直行組

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ベルモントS勝利なるか、期待ふくらむ一戦

エピカリス(右)が今週末に米三冠最終戦ベルモントSに挑戦、昨年3着だったラニを超える成績を挙げることがはできるか 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 昨年は日本馬ラニの挑戦で近年にない注目を集めたアメリカ牡馬クラシック三冠戦。その中でラニが3着善戦と最も大きな夢を見させてくれたベルモントS(ベルモントパーク競馬場2400mダート)に、今年も日本からエピカリス(牡3=美浦・萩原厩舎、父ゴールドアリュール)が挑むことになった(日本時間11日午前7時37分発走予定)。UAEダービーまでの実績やレース内容を踏まえれば、エピカリスはラニに勝るとも劣らぬ素質の一端を見せており、あるいは勝利なるかの期待もふくらむ。

 エピカリスの前走、UAEダービーは折からの雨で先行有利に拍車が掛かった馬場状態を読み切り、積極的なレースに打って出たC.ルメール騎手の判断が光った。エピカリスもそれに応えてゴール寸前まで先頭を守り抜き、最後に競り負けたものの勝者に等しい惜敗。スピードと持久力の両面で一級品の素材であることを示せたのは大きな収穫だった。

2カ月半ぶりの実戦も問題なし

絶好調の鞍上ルメール(中)の手腕にも期待だ 【Photo by Kazuhiro Kuramoto】

 今回はUAEダービーから約2か月半ぶりの実戦になるが、3歳初戦のヒヤシンスSではさらに長い休養明けで快勝しており、レース間隔自体は問題ないだろう。前走でドバイへの輸送を克服しているうえ、日本に帰国して再度の米遠征となるだけに、むしろ適度なくらいかもしれない。昨年のラニのように、ケンタッキーダービーのチャーチルダウンズ競馬場では調整に苦労した一方、広々としたベルモントパーク競馬場に移って状態を上げていった例もある。直接現地入りしたことを前向きに受け止めて良いのではないだろうか。

 適性不明な距離の問題もあり、ベルモントSではどのような戦法になるか判らないが、UAEダービーで逃げることができたように、スピードへの対応は心配無用。過去の傾向では最終コーナーである程度前の位置につけていなければ勝機もなく、好位グループの一角から機を窺うのが妥当な戦法となろう。

2歳王者離脱で混戦に拍車

 事前の出走予定馬では2歳王者クラシックエンパイアが目標に好都合だったが、枠順抽選日になって故障が判明。出走回避となり、混迷の度合いを増す事態となった。

 実績に敬意を表すなら1冠目のケンタッキーダービー2着、2冠目のプリークネスSで4着のルッキンアットリーとなる。しかし、追い込み脚質で相手関係や展開に左右されやすく、勝ち味の遅さがある。ベルモントSに関しては昨年のラニに似たようなタイプながら、ここまでの戦績はより上位で安定しており、そうした比較から勝ち負けに絡む可能性は十分に秘めているだろう。

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