米三冠最終戦エピカリスはラニを超えるか 鍵握るケンタッキーダービーからの直行組

JRA-VAN

データが裏付けるレース間隔5週のライバル馬たち

 過去10年のベルモントS優勝馬のうち6頭は「前走から5週のレース間隔」だった。6頭のうち4頭は、1冠目のケンタッキーダービーに出走した一方で2冠目のプリークネスSを見送った馬だ。さらに強力なデータとして、過去10年のベルモントSにおける3着以内計30頭のうち17頭も前走から5週のレース間隔。レースの中心を担うのは、2冠を戦って疲労が蓄積した馬よりも、適度なレース間隔を保ってフレッシュな状態の馬という、当然ともいうべき事実が浮かび上がる。

 このデータに該当する前走ケンタッキーダービー組はタップリット(6着)、ゴームリー(9着)、アイリッシュウォークライ(10着)、パッチ(14着)、ジェイボーイズエコー(15着)の5頭となる。

 最先着はタップリットだが、重賞勝ちは3月のG2タンパベイダービーしかなく、ケンタッキーダービー直前のG2ブルーグラスSでは5着に敗れている。当時の勝ち馬アイラップはケンタッキーダービーで18着に大敗。その他に先着を許した3頭もケンタッキーダービーに駒を進め、プラクティカルジョーク(5着)、マクラッケン(8着)、前記のジェイボーイズエコーと近い着順か大きな着順に沈んでおり、実力的な限界が見えた感もある。

 それに対してゴームリーは西海岸最大の前哨戦であり、出世レースとしても知られるG1サンタアニタダービーの勝ち馬。また、アイリッシュウォークライはプリークネスS優勝馬のクラウドコンピューティングと前述の2歳王者クラシックエンパイアを封じて重賞勝ちした実績を持つ。ベルモントSはケンタッキーダービー10着以下から巻き返しての優勝例もめずらしくなく、実力の裏付けがある両馬には注意したいところだ。

腕利きトレーナーの用兵が不気味

 ケンタッキーダービー以外にも「前走から5週」の条件に該当する馬がいる。ツイステッドトムは重賞未勝利ながら、未格付けのステークス2つを含む3連勝中。前走がフェデリコテシオSという臨戦は2011年にベルモントSを制したルーラーオンアイスと同じで、セン馬という共通点もある。管理するC.ブラウン調教師はニューヨークが地元で、昨年のエクリプス賞最優秀調教師を受賞した東海岸きっての腕利き。狙い澄ましたローテーションを組み、クラウドコンピューティングにプリークネスSを勝たせたばかりでもあり、それに代えての用兵ならば当然、高い勝算を見込んでいることだろう。

 プリークネスS3着のシニアインベストメントは、勝負所で置かれかけながらしぶとく巻き返してルッキンアットリーをゴール前で逆転。エンジンのかかりが遅いタイプだけに、距離延長を味方にできそうだ。

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