【ボクシング】不幸なジャッジに栄冠を逃がした村田 不明瞭な判定基準は不信の原因に
明白なパワーの違いはあったが……
村田は「しっかりと圧力をかけ、右のパンチを重点的に使う作戦どおりに戦えた」という。パンチの数こそ少なかったが、堅実な足取りで前進しながらエンダムを追い詰めていく。村田のプレッシャーの強さには定評がある。軽々と飛翔するフットワークが持ち味のエンダムもなかなか動けない。真正面から村田とやり合うはめになる。こうなればパワーの違いが明白だ。
3ラウンド以降、エンダムは懸命に手数を出すのだが、村田の腕の上に化粧パフをたたくような代物に過ぎない。一方、村田のパンチは同じガードの上をとらえても、上体までねじ切るように強烈だ。たとえ、単発であっても、効果という点では大違いである。
2者が9ラウンド以降すべてエンダム有利とジャッジ
9ラウンド以降、エンダムは力のないジャブで距離をとり、ときおり左右のパンチをまとめるが、それもむなしく村田のガードに阻まれた。相手の攻め終わりを待って打ち込む村田の強打ばかりが目を引いたもの。それでもエンダムの勝利が結果として導き出される。ジャッジのうち2者はなんとこの9ラウンド以降、全ラウンドをエンダムの有利としていた。