“越後のダルビッシュ”ら好素材が多数 東都「2部」ドラフト候補たちの現状

高木遊

実戦派捕手はノムさんの孫弟子

野村克也氏の孫弟子となる立正大・小畑。エースが抜けた投手陣を引き立てるリードで今春の2部優勝に貢献した 【撮影:高木遊】

 第2試合では、駒澤大の左腕・東野龍二と立正大の正捕手・小畑尋規が対戦。直接対決は3打数1安打だったが、試合は開幕から負けなしの立正大が、既に勝ち点を2つ落とし1部昇格の可能性が消滅していた駒澤大に2対1と競り勝った。翌日の2回戦も立正大が勝ち、開幕8連勝で2部優勝を決め、東都1部最下位校との入替戦に進んだ。

 シダックス在籍時は野村克也氏の教え子だった坂田精二郎監督は「昨年までは黒木や堀(誠/NTT東日本)に育ててもらっていたので、今度は捕手が投手を育てる番だと言っていました。上出来ですね」と、後輩投手陣をリードした小畑を称えた。

 2年時から正捕手を任された捕手としての総合力の高さが武器なだけに「自分の進路は考えず、チームの結果が自分の結果になっていくと思います」と冷静に話し、「入替戦までの1カ月でレベルアップしないと絶対に勝てない」と気を引き締めた。

【動画】立正大・小畑のプレー動画

「40代の投球」ができる技巧派左腕

130キロ台の速球と多彩な変化球で大人の投球を見せる駒澤大・東野 【撮影:高木遊】

 ストレートの球速がほとんど130キロ台の東野は球団によって評価の分かれるところだが、某球団の打者出身スカウトは東野の大学生らしからぬ投球に「プロでも70勝から80勝はできる」と太鼓判を押す。

 その理由として、ストレートが130キロ出なかった時もある山本昌氏(元中日)や武田勝氏(元北海道日本ハム)を引き合いに出しながら、「40代の投手のような投球術が既に完成されている。決め球となるチェンジアップはプロでも通用する」と語った。

 履正社高時代には甲子園を2度経験し、大学1年秋の明治神宮大会決勝では今永昇太(横浜DeNA)を押しのけて先発に抜擢され、明治大打線を5回無安打に抑える快投を見せて日本一に導くなど実績は豊富だ。

 東野自身も「ストレートが130キロ中盤な僕にとってはキレとコントロールが大切。(多彩な)変化球を生かすためにも、ストレートのキレを磨いてきたい」と、自らの特長を最大限に生かして、今後のさらなる飛躍を誓っていた。

 全国大会にはつながらず、日の目を見ることの少ない2部リーグではあるが、今年も多くの好選手がしのぎを削りながら、大輪の花を咲かせるべくじっくりと根を張っている。

2/2ページ

著者プロフィール

1988年、東京都生まれ。幼い頃よりスポーツ観戦に勤しみ、東洋大学社会学部卒業後、スポーツライターとして活動を開始。関東を中心に全国各地の大学野球を精力的に取材。中学、高校、社会人などアマチュア野球全般やラグビーなども取材領域とする。

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント